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  1. 茨城県議会 1997-06-12
    平成9年第2回定例会(第2号) 本文 開催日: 1997-06-12


    取得元: 茨城県議会公式サイト
    最終取得日: 2023-06-12
    ↓ 最初のヒットへ(全 0 ヒット) 1 平成9年6月12日(木曜日)午後1時5分開議      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◯議長(川井一郎君) これより本日の会議を開きます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 諸般の報告 2 ◯議長(川井一郎君) 諸般の報告をいたします。  5月31日以降6月10日の正午までに受理いたしました請願は,お手元に配付の請願文書表第2綴のとおりでありまして,それぞれ所管の常任委員会に付託しましたので,報告をいたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 日程第1 第110号議案=ないし=第123号議案,報告第3号 3 ◯議長(川井一郎君) これより議事日程に入ります。  日程第1,第110号議案ないし第123号議案及び報告第3号を一括して議題といたします。      ────────────────────────── 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑 4 ◯議長(川井一郎君) これより県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を許します。  杉田光良君。            〔31番杉田光良君登壇,拍手〕 5 ◯31番(杉田光良君) 自由民主党の杉田光良であります。  質問に入ります前に,去る5月23日急逝されました細谷武男前副議長に対し,謹んで哀悼の意を表するとともに,心から御冥福をお祈りいたします。  また,昨日,水海道警察署内におきまして,現職の警察官が自殺するというショッキングな出来事が生じました。亡くなられた警部補に弔意を表するとともに,本県警察官にあっては,動揺することなく,治安の維持に当たられますよう警察本部長にお願いをする次第であります。  それでは,早速,質問に入ります。
     橋本知事が本県県政を担当されて,早くも3年9カ月が経過をいたしました。間もなく4年の任期を終わろうとしておるわけでございます。  思えば,橋本知事が誕生いたしました1993年,平成5年というあの年は,我が国の政治の歴史に,そしてまた,本県の県政史上に大きな足跡をしるした年であります。38年間政権の座にあって,今日の我が国の繁栄を築き上げてまいりました自民党政権から一転して,パフォーマンス豊かな細川連立政権が,一部国民に期待をされながら,また一方,良識ある人々には不安と戸惑いを抱かせながら成立した年でございます。  私は,今,あの8カ月は,我々国民に何をもたらしたのだろうかと振り返っております。細川政権の印象は,あのスマイルとポーズだけでありまして,政治に空白は許せないという鉄則に反した残念な8カ月だと思うところであります。  こうして国政が混乱をした直後に,本県におきましても,18年間にわたり知事を務め,科学万博の成功や常磐新線の事業化など数多くの事業を展開され,かつては後進県と言われたこの茨城を1けた台に近づけるというすばらしい業績を残された前知事が,突如辞職をするという事態を受け,我々県民が戸惑う中,厳しい選挙戦を経て,本県県政を橋本知事にゆだねたわけであります。  知事は,就任の所信表明で,県政の基本的施策の方向として,次のような項目を掲げられました。  まず第1に地方分権の推進であります。2つ目に女性が積極的に参加できる県づくり,3番目には福祉及び医療の充実,4番目には地域環境の整備,第5に産業基盤の充実,6番目にはあすに希望の持てる農業県づくり,最後7番目として教育,文化及びスポーツの振興と,7項目を掲げて橋本県政がスタートをし,県民に注視をされながら今日に至りました。  この間,バブル崩壊後の日本経済は,公共事業による景気浮揚策も功を奏さず,依然低迷を続け,一方,政局は,細川総理,羽田総理といった短命内閣もあって,この4年間に4人の総理が目まぐるしくかわるという,まさに政治も経済も,これまで私どもが経験したことのない混迷の時期であったわけであります。  このような環境の中で,急遽,県政を担当された橋本知事でありました。本県の懸案だった医療大学の開校や世界湖沼会議の成功,県庁舎建設の着工,さらには知事が意欲を示しておった2002年のワールドカップ鹿島開催の決定など,順調に推移をしてきたところであります。  反面,平成12年開通を目途に巨額の投資をして進めてまいりました常磐新線が5年先送りされるという事態や,本県誘致に期待をかけておった首都機能移転も一時延期を発表されるなど,本県にとって,期待をかけてきただけに残念な事態でありまして,今後の知事の政治力に期待をするものであります。  この定例県議会は,橋本知事にとって今期最後の議会となります。任期を全うするに当たり,4年間の橋本県政を振り返って,知事自身がどのように評価をされておりますか,まずお伺いをいたします。  次に,今後の財政運営についてお伺いをいたします。  バブル崩壊後の我が国経済は,今日までの成長期の中で何度かあった不況とは全く異なり,バブルのツケが住専を初めとする金融界から証券市場に及び,さらに不良債権を抱える企業は我々の想像以上のものがあり,生命保険関係にまで及ぶという事態であります。  一方,企業は,円高を避けて海外に流出をするという傾向がますます強くなり,国内経済の空洞化が懸念をされておるところであります。  このように,長期的に見ましても,楽観の許せる我が国経済ではございません。こうした厳しい経済環境のもとで,長引く不況を脱出させようと,国も地方自治体も歩調を合わせて公共投資による施策を講じてまいったところでございます。その結果,国債は250兆円を超え,本県におきましても,今年度の見込みを入れますと,年間予算規模に匹敵する1兆円を超えるという借金を抱えるという状況になってしまったわけでございます。  この県債発行の推移を見ますと,平成に入ってから,前半のうちは500億円前後の発行高でありましたが,5年度あたりから県債に対する依存度が高くなり始め,特に,本県ばかりの傾向ではありませんけれども,橋本知事みずからが予算編成に当たられた平成6年から県債の発行高は突出してまいり,1,352億円,本年度は1,566億円強となり,この4年間だけでの累計は約6,000億円という巨額になっております。  今年度の予算編成に当たりましても,基金を取り崩しながら,なおかつ多額の県債に頼らざるを得なかったという厳しい財政事情は理解をしておるところでございますけれども,再選に向け意欲を示す知事にとって,財政問題は今後の県政にとって最大の課題となるはずであります。  ここ数年来,政治の課題の中心は,高齢化が急速に進み,一方,これを支える子供たちは少子化に歯どめがかからないという逆現象の進行する中で,老人医療費の確保や福祉サービスのさらなる拡充が求められ,21世紀に向けた福祉施策が論議の中心になってきたところでありますし,今日もなお,その論議に変わるところはないはずであります。その上に,今度はさらに債務負担がのしかかろうとしておるわけでありまして,大変憂慮される事態と私は認識をするものであります。  一般会計から繰り出す公債費も,ここしばらくの間は500億円台で推移をしてまいりましたが,平成8年は730億円,本年は864億円と,大幅な増加となっておるところでございます。この公債費は,今年度末の残高をベースに今後の償還を試算してみますと,ピークの平成13年度には1,200億円と大幅な増加が見込まれるところであり,来年度以降も県債に頼らない予算編成は不可能であり,今後の償還は年々一般会計を圧迫していくことは必至であり,まさに財政の崩壊につながりかねません。  県民の価値観は多様になり,財政需要は膨らむ一方であります。加えて,本年度の予算にもあらわれ始めておるように,県所有の構築物の老朽化が進み,これらに対する対応も迫られてきております。  こうした中,橋本知事は,中長期的な視点に立った財政の健全化に向け,今後どのような財政運営をされようとしておるものか,お伺いをいたします。  次に,地方分権と市町村の体質強化,すなわち合併についてお伺いをいたします。  戦後,町村合併促進法の施行に伴い,本県におきましても合併は急速に進み,昭和28年には366の市町村であったものが,5年後の昭和33年には92市町村となったわけであります。その後,つくば市の誕生まで,約30年にわたり92市町村の体制を維持してまいりました。この間にも,市町村の事務事業の効率的な執行を図るために10の広域市町村圏などが設定をされ,ごみ処理や消防等を中心に,住民へのサービスはもとより,それぞれの市町村の事務の効率化に大きく貢献をしてきたところであります。  21世紀を目の前にし,高齢化や情報化,国際化等が急速に進展し,加えて住民の価値観は多様化するなど,市町村を取り巻く環境は大きく変わってまいりました。そこで,今,こうした変貌に的確に対応した行政の展開が市町村には求められておるところであり,国においても,新たな行政需要に対応できるよう,市町村の強化を図るために打ち出されたのが地方分権論であります。  さきにも述べましたように,知事も就任直後の県施策の中で真っ先に取り上げておるのが,この地方分権の推進であります。  県議会も,この問題にはいち早く取り組み,橋本知事が就任する1年前,平成4年9月に広域行政推進調査特別委員会が設置をされ,調査検討を重ね,橋本知事が就任直後の平成5年10月に,市町村の合併を含めた広域行政を推進するための報告がなされておるところでございます。  これまでも,この一般質問や委員会質疑の中で,多くの議員がこの問題には触れてきたところでございます。その都度,知事初め執行部の答弁は,市町村の自主性,主体性を尊重するという姿勢で,踏み込んだ発言はされてまいりませんでした。もちろん,合併はそれぞれの市町村の根幹にかかわる問題であると同時に,多くの課題が生じる可能性もあることはわかります。  しかし,財政問題は市町村にとっても厳しい状況下であります。それらを踏まえ,市町村議会では,財政改革はまずみずからが示そうということで,議員定数削減の論議が多くの市町村でなされておるところであり,敬意を表するところであります。しかし,私は,同時に,次の世代に向けた抜本的な改革を図るためには,あわせて広域合併の論議もしていただきたいと提言をしてきておるところでございます。県内を網羅するボランティア団体茨城青年会議所も,今年度の活動テーマは市町村の広域合併であります。  地方分権が打ち出された当時,各市町村では,これからは地方の時代だ,市町村が主役だと歓喜に沸いて久しく,思うように市町村が主役になれない最大の問題は,財政力だと思うのであります。  したがって,知事の掲げる新県計画を果たすためにも,行政改革を進める上でも,県として具体的な支援策をとるべき時期だと思うわけでありますが,知事の御所見はいかがでありましょうか。  最後に,交通事故対策について,この件についても知事に伺います。  昭和30年代後半から我が国経済が成長期に入り,世界に類を見ない発展をする過程において,政治の果たすべき役割の中心は,生活に密着した道路整備など生活環境整備がメーンとされてまいりました。その後,国民の生活が向上するにつれ,生活環境は急速に変わり,核家族化等が進んだことなどもあって,政治は,それまでとってきた施策から,将来を見据え,高齢化社会に対応した福祉政策に重点を置いた論議に大きく変わってきたところであります。  今や世界一の長寿国となり,特に,我が国の場合は,現在高齢を迎えておる皆さんは,戦中戦後の混乱期に大変な努力をされ,今日の経済繁栄の礎をつくっていただいた皆さんであります。余生は生きがいのある人生を送っていただくために,あるいはまた障害を持つ恵まれない方々のために,福祉政策の充実を図ることは当然でありまして,私も異論を申すところはございません。橋本知事も,この重点施策の1つに福祉問題を取り上げ,力を注がれておるところでございます。  しかし,福祉の原点は,すべての人々が健康で生きること,すなわち命であります。その命が,元気な若い命が一瞬にして奪われるという交通事故が,連日多発しておるという事態を考えたとき,当面する福祉施策の最も重要な,しかも緊急課題は,交通事故の防止対策だろうと思うのでございます。  本県の場合,ここ10年間の記録を見ますと,人口10万人当たりの死亡者数では,昭和62年,63年がワースト3位,その後8年間は1位,2位を繰り返すという大変不名誉な経緯をたどってきたところであります。  事故発生件数も,10年前には1万2,700件,負傷者数1万6,000人であったものが,昨年は,発生件数2万2,000件,負傷者数は何と2万8,000人に及び,倍増近くに急増しておるところであります。また,肝心な死亡者数では,平成4年の494人をピークに下方に転じ,昨年は8年ぶりに400人の大台を割り385人となりました。警察やボランティア団体,さらには,道路を管理しておる建設省や県土木部の努力の成果が見え始めたのかという安堵もつかの間,本年に入りましては,発生件数,負傷者数はやや減少傾向にあるものの,死亡者数は再び増加に転じるという,まことに憂慮される傾向になっております。  警察も,歴代の本部長を中心に,総力を挙げてこの交通事故防止には日夜を分かたぬ努力をしてきたところであり,さらに,交通安全協会等ボランティアの皆さんの活動も活発に行われてまいりましたが,こうした状況を見るとき,現在の警察の体制,安協等の活動だけでは,限界に近いのではないかと思うのでございます。したがって,交通事故撲滅には,知事みずからが先頭に立って,県民総ぐるみの運動を展開すべきであると提言をしたいのであります。  こうした状況が今後も続くとしたならば,知事の目指す,この茨城に生まれて育ってよかったという輝く県土づくり構想に逆行しかねません。知事の考えをお伺いするものであります。(拍手) 6 ◯議長(川井一郎君) 杉田光良君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。              〔知事橋本昌君登壇〕 7 ◯知事(橋本昌君) 杉田光良議員の御質問にお答えいたします。  まず,県政の評価についてでございます。  議員御指摘のとおり,私は,平成5年10月の県議会におきまして,7項目の基本的施策の方向を掲げ,県政を運営することをお約束いたしました。私は,この基本的方向に沿って,知事就任直後,県政運営の基本方針となります茨城県長期総合計画を策定し,現在まで,この計画の着実な推進を図ることにより,県政の諸課題に全力で取り組んでまいりました。  具体的に申し上げますと,地方分権の推進につきましては,国への積極的な働きかけを行ってきたところであり,一昨年に地方分権推進法が成立し,これに基づく分権推進委員会において昨年12月に第1次勧告が出されるなど,地方分権に向けた動きが本格化しております。  また,県といたしましても,39事務192項目について,独自に市町村への権限移譲を進めてまいりました。  一方,地方分権にふさわしい行政体制の整備確立のため,行政改革大綱に基づき,簡素で効率的な行財政運営に努めますとともに,市町村につきましても,分権社会の力強い担い手となるよう合併を積極的に推進しますとともに,市町村職員の研修や人事交流などに努めてきたところでございます。  また,県づくりの主役は県民一人一人であると考え,広く県民の参画を促しますために,各種懇談会の設置や大好きいばらき県民運動の推進などに取り組みますとともに,生活実感に基づいた女性の声を県政に反映できるよう,明日の茨城を考える女性フォーラムの設置や県の審議会等への女性の積極的な登用などに努めてきたところでございます。  さらに,少子・高齢社会に向けての福祉・保健・医療の連携による地域ケアシステムの構築,乳幼児医療費の無料化や延長保育の充実,身近な生活道路や下水道などの生活環境施設の整備,霞ヶ浦の水質浄化などの環境保全対策,生涯学習施設や美術館の整備などによる教育文化の振興,2002年ワールドカップサッカーの誘致を契機としたスポーツの振興などに特に力を入れ,取り組んでまりいました。  加えて,国際競争の激化する中におきまして,中小企業への技術支援の強化やベンチャー企業の育成など,夢と希望の持てる商工業の振興と日本一の園芸県づくりなど,活力ある農林水産業の確立に積極的に取り組んでまいりました。  一方,21世紀の交流の時代に向けて,県土発展の基盤となる高速道路や常磐新線,常陸那珂港などの整備,百里飛行場民間共用化といった陸・海・空の交通ネットワークの整備を積極的に進めてまいりました。  こうした県政の諸課題に全力で取り組んできたことによりまして,常磐新線や首都機能移転などの課題もございますが,県政は総じて着実に進展してきているものと考えております。今後とも,県議会の皆様の力強い御支援を賜りながら県政を進め,バランスのとれた県土の発展と豊かな県民生活を実現してまいりたいと考えております。  次に,中長期的視点に立った財政運営についての御質問でございます。  議員御指摘のとおり,近年,県債残高が累増し,今後,公債費の増加が避けられない状況となっており,中長期的視点から見た場合,財政の硬直化が一層進むおそれがございます。  一方,今後,高齢化の進行などに伴う行財政需要の増大が見込まれますほか,社会資本の整備につきましても,本県の場合,まだまだ不十分な状況にございます。  こうした課題に的確に対応していくために,行財政改革を強力に進め,中長期的な財政の健全性を確保していくことが極めて重要でございます。このため,現在の行革大綱が終了する平成10年度以降も新たな大綱を策定し,一層の行財政改革を推進していくことが必要であると考えております。  また,この新たな大綱の策定に当たりましては,行革懇談会の中に専門部会として財政構造検討部会行政機構検討部会を設置し,より具体的,専門的な観点からの御議論をしていただくこととなっております。  今後は,こうした懇談会の御議論を踏まえるとともに,県議会の御意見を十分いただきながら,中長期的な財政の健全化に取り組んでまいりたいと存じます。  一方,平成10年度にも相当規模の財源不足が見込まれますことから,現在,来年度の予算編成や組織定数の調整に先立ち,これらの抜本的な見直しを進めているところでございます。今回の見直しでは,すべての事務事業を聖域なく対象とし,一般経費につきましては15%,人員面では一般行政職員の2%の削減目標を設定するほか,事業評価の手法を導入するなど,ゼロベースの視点に立って徹底的に洗い直すこととしております。  現在,国におきましても,厳しい財政構造改革が進められております。行財政改革には相当の困難が予想されますが,今後とも,県議会や県民の皆様の御理解をいただきながら積極的に取り組み,中長期的な財政の健全化を図ってまいりたいと考えております。  次に,地方分権と市町村の強化についてでございます。  住民に最も身近な自治体であり,地方分権の担い手でもある市町村にとって,多様化し,増大する行政ニーズにこたえられる体制を整え,また行財政能力を高めることは重要な課題であり,そのためには市町村合併は有効な方策であると考えております。  このようなことから,本県におきましては,全国に先駆けまして,合併市町村に対する合併特例交付金や,合併の機運醸成を推進する民間団体に対する新しい地域づくり推進活動費補助金を創設し,積極的に市町村合併を支援しており,このことは全国からも注目されているところでございます。  また,このほかに,研修会への職員の派遣,合併協議会への参画などを通じ,市町村長,議員はもとより,県民の皆様の合併に対する理解と合意形成を支援しますとともに,シンポジウムの開催,情報紙の発行などにより,合併についての機運の醸成に努めてまいりました。  さらに,今年度からは,市町村合併についての相談や情報提供などに身近な場所で応じられるよう,各地方総合事務所合併相談コーナーを設け,合併についての意識の普及啓発のための体制の充実を図ったところでございます。  このような取り組みの結果,最近5年間における合併件数は全国で6件でありますが,そのうち3件は本県の事例であり,合併先進県との評価をいただいていると考えております。  しかしながら,市町村合併を促進していきますためには,平成7年に改正されました合併特例法のもとにおいても,都道府県が果たし得る役割には限界がございます。議員や首長の身分の取り扱い,財政支援措置の拡充,さらには住民発議制度のあり方や,市制施行のための人口要件の特例など,国における制度の検討が不可欠でございます。  こうした状況を踏まえ,国におきましては,地方制度調査会において新たな自主合併の誘導促進策などの検討に着手したと聞いておりますし,また,今月3日の閣議決定におきましても,市町村の合併について実効ある方策を講じ,積極的に支援していく必要があるとしております。  したがいまして,県といたしましては,これらの動向を注視しながら,中央要望,あるいは知事会などを通じて,合併がより促進される環境が整備されるよう,具体的な制度改正を国に働きかけますとともに,引き続き,市町村に対し適切な指導,助言を行うなど,積極的な支援をしてまいりたいと考えております。  次に,交通事故対策についてでございます。  本県の交通事故の状況でございますが,御指摘のように,交通事故による死者数が,全国的に見ても依然としてワースト上位県という,極めて残念で憂慮すべき状況になっております。  県といたしましては,このような状況から脱却するため,昨年度策定いたしました第6次茨城県交通安全計画に基づき,関係機関と連携して,交通危険箇所の整備など,道路交通環境の整備を促進しますとともに,交通指導取り締まり交通安全思想の普及啓発などを鋭意実施し,交通事故の防止に努めているところでございます。  また,交通事故を防止していきますためには,ハード面の整備や取り締まりに加えまして,県民一人一人が交通安全を常に意識し,実践することが大変重要であります。  そこで,交通対策協議会を中心に「参加してみんなでつくる交通安全」のスローガンのもと,関係機関や交通安全運動団体と連携し,春の交通安全運動など,各季の交通安全県民運動を推進しますとともに,大好きいばらき県民会議などの団体とも連携し,より幅の広い新しい形での県民運動を展開し,交通安全意識の浸透を図っているところであります。  さらに,交通事故による死者数の多くを占める高齢者や青少年などを中心に,高齢者交通安全実践促進事業や青少年に対する安全運転体験教育事業など,各年齢層,対象に応じ,交通安全の大切さを学び実践してもらう,県民参加,実践型の交通安全事業を積極的に推進しているところであります。  特に,昨年度からは,日常生活の中で交通安全意識を深めてもらうことを目的に,新たな参加型の交通安全県民運動として,大好きいばらき県民会議との共催によります,大好きいばらき交通安全10万人コンクールを実施しているところであります。昨年は,他県にも例を見ない,13万人を超える県民の方々の参加をいただいたところでございまして,交通安全思想の浸透に大きな役割を果たしたのではないかと考えております。  交通事故の防止につきましては,いささかもないがしろにできない県政の重要かつ緊急な課題でありますので,今後も,交通安全施策の一層の推進を図り,交通事故のない安全快適な地域社会の構築に向け,全力で取り組んでまいりたいと考えております。 8 ◯議長(川井一郎君) 杉田光良君。             〔31番杉田光良君登壇〕 9 ◯31番(杉田光良君) ただいま答弁をいただいたわけでございます。なかなか私自身が期待しておった答弁には若干ほど遠いものがございますけれども,要望等を申し上げたいと思います。  まず,交通安全対策についてでありますが,私がこの質問通告をした後に,担当課からは,今,知事が申されましたような交通安全10万人コンクール等の資料やパンフレットも示されました。しかし,この程度のキャンペーンは,これまでも長年にわたってとられてきた施策であると私は思います。ドライバーや県民に,ドライバーのマナーの高揚にどの程度効果的に伝わるかということでは,大変疑問視をせざるを得ないというふうに思うところでございます。  交通事故の撲滅のためには,行政や警察,そしてまた民間団体が一体となり,連携をとりながら,きめ細かな,具体的な,例えば安協等の皆さんにある程度の権限を与えるというような,思い切った取り組みが必要ではないかと思うのであります。  また,同時に,マスコミの協力も不可欠でございます。人の命は,いかなる命もひとしくとうといはずであります。しかし,昨今のマスコミの取り上げ方は,いじめに遭って自殺をしてしまったというような小中学生等の問題については積極的に取り上げておるところでありますが,こうした取り上げ方は,私は,むしろ誘発を招くのではないかというふうに,懸念すら感じておるところでございます。  反面,この交通事故に対する活字は年々小さくなってしまい,国民,県民の日常生活から遠のき,交通安全に対する意識が低下し,事故発生に歯どめがかからないという一因が,このあたりにもあるのでないかというふうに私は認識をしております。したがって,マスコミの皆さんにも,報道の果たす役割というものを認識していただき,国民,県民の命を守るということにも貢献してくださるように,この場をかりて特にお願いをするものであります。  次に,合併問題についてでございますが,知事も,なかなかこの問題に対しては突き進んだ答弁はできないかもしれませんけれども,私は,さきに申し上げましたように,県内を10カ所に区分した広域事務組合が構成されており,さらにこの中に一部事務組合が複雑に設置をされております。  例えば私の住む水海道市を例に挙げますと,広域事務組合は2市3町1村であり,旧3郡にまたがっており,さらに,消防は水海道市と守谷町,谷和原村,し尿処理は水海道市,谷和原村,農業共済は水海道市と広域外の石下町,農協は水海道市と,すべて広域外の市町村で合併しておるというような状況であり,これが合併論議にさまざまな意見が出てくる要因でもあります。  したがって,こうした現実も視野に置きながら,定着してきた広域圏をベースにするのか,あるいは県の出先機関と関連が深い旧郡を主体にするのかという点も視野に入れながら今後検討を図られ,県としての合併の望ましい姿というものを示すべきではないかというふうに思うところであります。  最後に,財政運営について要望しておきます。  財政運営は,まさに政治の場にかけられた重要かつ緊急の問題であります。知事も今申されたように,来年度以降,すべての分野にわたってその財政改革を図るというような決意を示されたところではございます。  しかし,今,国の行政改革審議会等でも,来年度以降の予算編成に当たっては,公共事業を中心とした予算の圧縮を考えておるというような報道もなされておるところでありますが,公共事業というものは,我が国経済にとって大きな役割を果たしてきた,また,今後とも役割を果たす事業でもございます。バブルの二の舞にならないような,しっかりとした施策を講じていただきたいと,このように思うわけであります。  最後に,知事に1つ提言をしておきます。  知事も,今,間もなく迫った9月の選挙を前に,毎日多忙な日を送っておるようでありますけれども,選挙は私どもに任せていただいて,知事は腰を据えて本県の長期的な政策づくりに専念をしていただきたいと申し上げまして,私の質問を終わりといたします。  御清聴ありがとうございました。(拍手)      ────────────────────────── 10 ◯議長(川井一郎君) 次に,鈴木孝治君。            〔30番鈴木孝治君登壇,拍手〕 11 ◯30番(鈴木孝治君) 公明・新進クラブの鈴木孝治でございます。  さきの通告に従いまして,知事,教育長並びに関係部長にお尋ねします。  本年5月3日に,日本国憲法は施行50周年の節目を刻みました。言うまでもなく,我が国の憲法は,平和主義,国民主権主義,人権尊重主義の3つの基本原理を基盤にしております。近代憲法としてのこの3つの根幹を持つ我が国の現憲法は,戦後の我が国の近代化の発展に大いに貢献いたしました。これらの憲法の基本原理をめぐる議論は,50年を経た今,新たに重要な局面を迎えていると言えましょう。  それだけに,行政に携わる者として,憲法の基本原理が真に徹底されている世の中にするためにも,ふだんから基本原理から考えて,憲法に対して今何が問われているかを心にとどめなければなりません。また,そう問いかけていくことこそ,政治に課せられた大いなる使命であると言えましょう。  初めに,環境行政について,大前提として,まず環境行政の評価と新たな人権としての環境権について伺います。
     地球環境の危機に立ち向かい,持続可能な開発を目指したブラジル・リオデジャネイロの地球サミット,国連環境開発会議から5年,今月,ニューヨークで国連環境特別総会が開かれ,5年間の各国の取り組みが検証されます。また,本年12月には,地球温暖化防止京都会議も開催される予定です。県レベルでは,鳥取県においては,公設民営方式で鳥取環境大学の設立を試みようとしています。  人間と環境は別々のものではありません。密接にかかわり,深い次元では影響し合っています。自然との共存,共生,共鳴のあり方を,今こそ県としても本気になって模索すべき時だと存じます。  そこで,知事にお尋ねいたします。  環境保護に対して,これまで国及び地方公共団体が行政上取り組んできた諸施策は,本県も含んで,どれくらい進展したと評価されているでしょうか。また,県政を推進する責任者としてのさらなる決意を,改めてお聞かせ願いたいと存じます。そして,新たな人権として注目されている環境権に対してはどのような御所見をお持ちでしょうか,お伺いいたします。  次に,ダイオキシン排出抑制策について伺います。  世界保健機構(WHO)は,ことし2月,ダイオキシンには発がん性があると断定するに至り,ごみ焼却場建設に対する市民運動も全国的に高まりました。発がん性について,これまでの発がん性の可能性があるという表現から,このたびの,発がん性があるという断定的な表現に変更し,ダイオキシンの発がん性を明確に認めました。  このような点からも,いよいよ行政も,ダイオキシンの環境への影響を重大視せざるを得なくなりました。がんや奇形の原因となるダイオキシンは,一番毒性の強いものになれば,青酸カリの1万倍の急性毒素を持っており,人類がつくり出した史上最強,最悪の猛毒物質とまで呼ばれています。  領土の狭い島国である日本は,ごみの大量焼却国であり,先進諸国でも群を抜いています。また,各地のほとんどの焼却炉は,24時間連続でなく,途切れ途切れの間欠運転であります。これらの間欠運転の焼却炉では,燃え始めのときと燃え終わりのときの焼却炉内が,300度ぐらいの不完全燃焼の状態になります。まさに,そのときにダイオキシンは発生すると言われております。  ことし4月11日に厚生省は,全国の市町村や一部事務組合が設置しているごみ焼却施設のうち1,150カ所について,施設名と排ガス中のダイオキシン類の濃度測定値を公表しました。このうち,本県の2施設を含む全国72施設で,排出濃度が,緊急対策の基準値である1立方メートル当たり80ナノグラムを超えていることが判明しました。  さらに,厚生省は,このダイオキシンの人体への影響が懸念されることから,母乳を採取して,人体のダイオキシンの含有量を測定する初の全国的調査を,ことし7月にも行う予定であります。  欧米では,既に焼却施設に対しては,早くから厳格な基準値を定めています。今回の厚生省の緊急対策の基準値は,欧米と比べて,約400倍も甘い値になっています。  いずれにせよ,厚生省においては廃棄物処理法,環境庁においては大気汚染防止法を改正して,長い間問題にされながら規制されていなかったダイオキシンに対して,ようやくこの2つの法律によって,曲がりなりにも網がかぶせられようとしています。  そこで,生活環境部長にお尋ねします。  厚生省の今回の調査のような形で,今後も,調査結果を定期的に公表していってはどうかと考えます。さらに,調査対象も,民間の一般のごみ焼却場,あるいは産業廃棄物処理場の全施設に対しても拡大すべきであり,これらに対しても何らかの対応をすべきだと考えますが,部長の御所見を伺います。  また,日々施設内で作業をする作業員は,直接焼却炉の開閉にも当たります。作業員の皆さんも,ダイオキシンに対する正しい知識を身につけ,ダイオキシンで汚染されないように対処すべきでありますが,今後,まずは公共施設内でのダイオキシン抑制の対処策を県としてどのように指導していくつもりなのか,部長に伺います。  また,ダイオキシンを発生させる原因となるごみの不完全燃焼の状態を極力抑えるために,ごみ固形燃料(RDF)を開発し,家庭から出る可燃物ごみを細かく砕き,圧縮固形化して燃焼コントロールしやすい状態にしようとする試みが,鹿島の再資源化センターとして,全国に先駆けていよいよスタートします。  栃木県では,家庭ごみの約半分を固形化して焼却,発電していくために,このRDFの導入を決めました。RDFは,商社や鉄鋼メーカーなどが競って技術開発している最中で,いわゆるごみ発電は,今後大いに注目されるところであります。  ダイオキシンの排出抑制のためには,先ほど申し上げた焼却炉の間欠運転をやめ,連続運転を行い,極力ダイオキシンが発生しないように高温で焼却する必要があります。  そこで,今後のダイオキシン排出抑制策を考える場合,焼却炉での連続運転が必要になり,そのためには一定規模以上の焼却施設が必要になると予想されますが,県として,ダイオキシン排出抑制の焼却炉の整備についてどのような考えで対応する計画なのか。また,ダイオキシン排出抑制を進める上で効果があり,ごみ発電として注目されるRDFの固形化施設をどのようにして導入を図る考えなのかを,部長に伺います。  さらに,埼玉県所沢市では,3月に,ダイオキシンを少なくし所沢にきれいな空気を取り戻すための条例が制定され,既に市内の小中学校の焼却場での焼却をも取りやめるなど,一自治体での取り組みとしては,画期的な,本格的な対応を推進しています。  まさにグローバルな課題としても,本県でも,今後ダイオキシンを抑制していくため,国,市町村,さらには広く一般県民とも手を携えて,本格的な検討に入るべきだと考えますが,重ねて生活環境部長に伺います。  続いて,環境行政と関連して,本県の原子力行政について伺います。  3月11日に起きた動力炉・核燃料開発事業団(動燃)の東海事業所での火災・爆発事故では,その後,虚偽報告や隠ぺい工作が次々と判明し,事故発生から3カ月たった今も,国民の怒りは一向におさまりません。  私ども公明も,党本部と県本部合同の動燃東海事業所爆発事故対策本部を設置し,4日後の3月15日に現地に調査団を派遣し,現地での申し入れをもし,事故原因の徹底解明と早急な事故防止体制の確立等を訴えました。  その後,虚偽報告,隠ぺい工作が判明してからも,再度訪問して,厳重注意を文書で改めてしております。また,会派としても,田中秀昂議員が,3月18日の予算特別委員会で,同様の趣旨から,県としての厳重なる原子力安全体制の確立を訴えているところであります。さらに,県の原子力安全対策として,「もんじゅ」での対応経験を持つ福井県にも調査に伺ったところであります。  また,地元東海村,ひたちなか市の住民から,被害状況を聴取した際には,特に地元で商売している皆さんが,全くはかり知れない風評被害をこうむっていた旨の報告がありました。爆発事故の実態の正しい把握が何よりも大事であります。事態を認識しないで評価することこそ,恐ろしいことはありません。  科学技術庁を初め,改めて県としても,原子力行政のあり方を見直すべきは正すことが要請されています。  そのような背景から,生活環境部長にお伺いします。  この際,県においては,原子力安全協定,環境放射線監視体制,連絡体制,原子力防災体制,原子力専門家増員などの整備強化を図るべきではないかと考えますが,御所見を伺います。  次に,学校図書館の運営と司書教諭の配置について,教育長にお尋ねいたします。  公共図書館活動の展開を図る上で,永続的に図書館を利用する,いわゆる図書館のファンづくりは,非常に大事であります。小学校1年生から高校3年生までの12年間の学校教育のあり方によっては,表面にはあらわれてこない利用者を,学校図書館の運営のさじ加減で,幼い若いうちから図書館のファンにしておくことができます。特に,中学校の学校図書館はかぎがかかったままで,学校図書館法が絵にかいたもちになっている残念な状態がほとんどでありました。  しかしながら,このたび国会で,この学校図書館法が,学校図書館関係者長年の悲願ともいうべき大改正が行われ,新たに学校司書の導入や平成15年までの義務設置を徹底していこうという法案が,全会一致で可決しました。  そこで,改正されて,学校図書館に司書教諭が義務設置になれば,法的にも本県の学校図書館にも司書教諭を配置しなければならないこととなりますが,県では今後どのような計画で配置していくのか,教育長にお伺いいたします。  また,学校図書館の運営のあり方は,学校図書館法の理念に沿って,今こそ抜本的に改めるべきだと考えますが,蔵書を新鮮に保つための学校図書館の図書の廃棄を盛り込んだ蔵書の構築について,県としてどう指導していくのか。また,学校での授業との兼ね合い,あるいは週休2日制への取り組みなど,今後どのように指導していくのかを教育長にお伺いいたします。  次に,人と文化の創造について伺います。  3月28日,茨城県の県庁跡地利用検討委員会は,知事に対して,過去4回にわたる検討結果についての報告を行いました。それによると,県庁舎移転後の跡地には,公園的要素を十分に取り入れた,ホールを中核とする多機能型文化活動拠点の整備が適当との結論が出されました。  さらに,施設整備の基本的考え方として,1,茨城の文化活動の中枢拠点となることはもとより,多くの県民が参加し,創造し,交流することにより,県として誇れる文化を形成する場とする。2,文化情報発信拠点としての役割を担う多機能を備えた複合型施設とする。3,公園的要素を十分に取り入れるということで,3点についてのコンセプトがまとまりました。  施設整備の基本的考え方としてのこの3つのコンセプト自体は,知事も評価されたように,方向づけとしてすばらしいものだと存じます。  御案内のとおり,現在のこの茨城県庁舎所在地は,旧水戸城内の三の丸であります。この現在の三の丸一帯,約18ヘクタールを敷地にして,江戸時代全国一の規模を誇る藩校である弘道館が,1841年に,第9代水戸藩主斉昭の手によって開館されています。現在,水戸市内にある茨城大学の敷地が約14ヘクタールですから,その規模の大きさから見ても,斉昭の意気込みをほうふつとさせます。  崩れ行く幕藩体制の立て直しを図ろうと,この弘道館を舞台に,文化と学問の振興を中心に据えて,藩財政が困窮する中も,次代を託す青年たちの育成に全力を注ぎました。儒学や武芸だけでなく,音楽や天文,医学まで網羅した,まさに一大総合文教施設であります。吉田松陰や久坂玄瑞らの多くの有為な人材が各地からこの地に集まり,幼少から聡明だった最後の将軍慶喜も,5歳からこの地で学びました。しかしながら,明治元年10月の水戸藩最後の抗争である弘道館の戦いによって,弘道館はその大部分を焼失したと言われています。  歴史性からいってもどうか,検討委員会の報告書の中で基本的考えとして提出されているとおり,情報発信という部分と複合施設という部分を,十分考慮すべきであると考えます。利用者を限定しない,いわゆる無限定な施設で,街のにぎわいをつくり出すことが大事ではないかと考えます。  例えば,現在県庁敷地内にある,県民待望の21世紀対応型の県民が集えて憩いの場とできる県立図書館が挙げられると考えられます。新茨城県立図書館整備調査検討委員会の結論も,同じ3月に最終報告書が出ておりますが,概要で,街のにぎわいの中で2万平米規模の県立図書館を設置すべきである旨の結論がありました。同規模の愛知県図書館が,土日には,1日4,000人以上の来館者でにぎわっていることを考えれば,工夫さえすれば,十分に現県庁舎分以上のにぎわいは確保できるものと予想できます。  また,女性の地位向上と,広く県民が豊かに平等な社会を創造し,交流し合えるコミュニティー創造の男女共同参画社会推進センター,あるいは女性センターなども,さまざまな階層の県民が集える文化情報発信の多機能複合施設として,文化ホールなどとともに,このような施設も複合化して検討していけないものかと考えます。  県を代表するようなシンボリックな偉容を備えた,まさに人と文化を創造できる,21世紀に開かれた県民期待の多機能複合施設の整備が望まれるところであります。  ともあれ,斉昭が,そして慶喜が,この地で果たし得なかった夢を,立場も時代も違いますが,果たしていくことができないでしょうか。偶然にも,来年,NHK大河ドラマ「最後の将軍」で全国にスポットの当たる,この弘道館立地の三の丸の地を舞台に,今,再び,郷土茨城が誇る文化情報発信の多機能複合型の施設を,より具体的,かつ本格的に検討していることを,電波を通して全国に強くアピールすべきだと考えますが,知事の御所見を伺います。  次に,公共工事の不正再発防止策について伺います。  茨城県道路公社が,平成7年8月に発注した,ひたちなか市阿字ヶ浦の常陸那珂港南線の道路工事をめぐり,受注した元請業者と下請業者の間で,建設業法で禁止されている不誠実な行為と,一括下請の禁止行為の法律違反事実が確認されたとして,関係16社に対して,5月8日から1カ月の指名停止の措置が県土木部によって行われました。  この工事は,茨城県が道路公社に委任契約し,それを公社が4工区に分けて意向確認型指名競争により,指名停止処分を受けた16社を含む合計26社に対して,1工区ごとに入札が実施され,元請4社が,それぞれ2億6,265万円から2億7,810万円の,ほぼ4分の1ずつの価格で落札しております。  私は,過去において,議会委員会で都合3回,この工事に関して道路公社の入札のあり方について,大要以下の2点から質問をしておりました。  それは,この工事が本来10億円以上の1つの工事として県が公社に委任しており,また,もともと10億円以上の工事は一般競争入札で行うように決まっているのだから一般競争入札を行うべきであったにもかかわらず,指名競争入札で行った点で,一般競争逃れの入札であったのではないかという点を,まず指摘しておりました。  2点目は,仮に受注機会の拡大のために1工区を4工区に分けたかったのだと言うのなら,下請が宇都宮の業者1社になっていることはどう説明するのか。やはりこの工事は,1工区としての発注が適切であったのではないかという指摘であります。  この際の答弁を要約しますと,4工区に分けたのは受注機会の拡大であり,国の指導どおりで,分割発注は違法でないし,さらに,元請がどこの下請に出そうが発注者側は何も言えないということを根拠に,この工事は何ら問題ではなかったということでありました。  しかしながら,これまで了解していた事実認識をひっくり返すような事実が新たに提起されました。  本来,本意ではありませんが,県にかかわる公共工事の入札の公正化を願う立場から,再度この問題に触れたいと存じます。県民からの血税を不正な形では決して使われないよう,公正な入札のあり方を構築するため,あえてこの問題を再び取り上げたいと存じます。  それは,今回,一部新聞のスクープ報道が,本年3月から5月まで5回掲載され,土木部監理課が16社を呼んでヒアリング調査した結果,私が取り上げていた事実とは全く違っていることが判明したのです。事実の食い違いと問題点は,大要以下3点に整理できると存じます。  1番目は,元請4社は,それぞれ宇都宮の業者1社に下請を出していたという通知を道路公社に提出していましたが,事実は,複数の業者に下請させていたという点であります。  2番目は,その間の経過は不明ですが,4社の元請から下請した都合12社が,その後,結果的には,やはり宇都宮の業者1社にそれぞれが丸投げしていたという点であります。  3番目は,大変残念なことでありますが,元請4社のうち2社が,現職県会議員の関連のある会社であり,私が,1年前まで3度にわたって議会委員会で取り上げているときには,何ら事実を訂正せず,糊塗したままで,1年後に新聞のスクープがあって,隠し切れない事実を突きつけられて初めて,土木部の調査時に,その事実を訂正することがあったという点であります。  国で定めたルールも守れないようでは,私どもの血税を払っての貴重な公共工事は決して任せられません。これら3点をもとに,疑問点を大要以下3点に整理したいと存じます。  1つ目は,なぜ元請4社は,スクープされ,調査されるまで,宇都宮の業者1社だけに下請したという形にしたのかという点であります。3度にわたって,1年前まで議会審議の中で取り上げているときも,全く傍若無人というか,議会審議がなきがごとく,結果として無視し続けていたという点であります。なぜ黙殺し続けたのか。  請負4社と宇都宮の業者1社との間に,常陸那珂施工協力会や水戸の業者1社の合計12社による複雑な請負親子関係のスキームが成立したことが,今回の土木部の手によって明らかにされました。このようにしてでき上がった今回のスキームの中で,何も仕事をせずに丸投げをしたこれらの業者12社が,なぜ談合組織でないと言えるのですか。これらのスキームの中で,これら12社は,結果として,まさか何も利益を手にしていなかったとでも言いたいのでしょうか。  さらに,これらの業者は,当初の入札に参加していた,いわゆる相指名業者12社ではないですか。これだけ,談合組織だったのではないかと思われる状況証拠が厳然として存在しているにもかかわらず,なぜこれが談合でなかったと言えるのでしょうか。  このような指摘をされるのが嫌でなかったら,隠す必要なんかはないではないですか。こんな法律も議会審議も無視し続けるような入札が,今後もずっと続けられようとするならば,県民の負託を受けた一議員として,また,厳粛なる県議会の一員として,到底看過できるものではありません。  100万立米の土砂を掘削,運搬,ならすという今回の工事を進めるためには,もちろん不発弾探査,取りつけ道路,のり面工事も附帯工事としてありましたが,費用ベースで全体の1割に満たないものであります。  したがって,2つ目の疑問として,結果的に宇都宮の業者1社に本体部分を任せていたのに,果たして,本当に217日の間,元請4社が現場代理人を出していたのかという点が挙げられます。宇都宮の業者1社に任せていたのではないというアリバイが,本当にあったのかという疑問であります。  そして,3つ目として,それにもかかわらず土木部は,その疑問を晴らすための決定的な資料になり得る工事台帳,日報,県発注の当該工期と同時期の契約書,現場代理人及び主任監理技術者等選任通知書などの現場代理人のアリバイとなる該当する箇所の写しをこちらが請求しても,再調査はしないと強弁するだけで,積極的に応じていません。2度の虚偽報告をし,恐らく談合だと指摘されたくないために,議会の審議中も全く訂正せず,1年半も隠し続けたこの4社だからこそ,残念ながら疑問をかけざるを得ないのです。  このような業者の台頭を許さず,しっかり指導し,是正していかなければならない土木部自身が,この事案に対する県民の疑問の声に対して,なぜ積極的に答えようとしないのか。今,まさに問題が起こっていて,何とか疑問を晴らしてほしいという議会ないしは世論の声が,ここに存在しています。なぜ積極的に再調査にも応じないのかという点であります。  私は,以上の疑問をいまだに解消してはいませんが,最低限申し上げることができる今後の再発防止策として,今回の事案を重く受けとめて,以下2点について土木部長にお尋ねいたします。  1点目は,当初から申し上げていたとおり,分離分割発注をする場合の基準を明確にしておくべきではないかという点であります。1工区の仕事を4工区などに分区すればするほど,直接工事費以外の間接費や共通仮設費などの費用がかさんでまいります。分離分割発注が可能な場合をできるだけ制限することこそ,行政の構造改革を求める国民世論としての時代の要請ではなかったかと存じます。  そもそも,今回の工事自体が,結果として,宇都宮の業者1社で行っている事実を見れば明白であります。県においても,財政困窮のひどい状況下で,果たして県民に対して納得していただけるような,今回の工事が分離分割発注すべき工事であったと,今も認識しているのでしょうか。  2点目は,今回のような問題工事があった場合には,より一層,監視のための情報開示が,当然議会にも,また広く県民にも開かれていること,そして,できれば理想的な監視が可能な客観的な制度の構築について,議会や世論,さらに有識者などの意見を積極的に取り入れていくべきであります。そのための第三者監視の審査会等の設置を早急に検討すべきであると訴えるものであります。また,決定的な情報をもっと照合できるような制度にすべきだと考えます。  以上2点について,県政刷新の一環として,ぜひ土木部長の決意を込めての御答弁をお願いします。  以上で,第1回目の質問を終わります。答弁によりましては再質問します。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 12 ◯議長(川井一郎君) 鈴木孝治君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。              〔知事橋本昌君登壇〕 13 ◯知事(橋本昌君) 鈴木孝治議員の御質問にお答えいたします。  まず,環境行政の評価と今後の取り組みについてでございます。  高度経済成長期において,大きな社会問題となりました産業型公害への対応につきましては,国,地方自治体の一体となった取り組みにより,相当の成果を上げてまいりました。  しかし,近年の大量生産,大量消費,大量廃棄型の社会経済システムの定着などによって,河川や湖沼の水質汚濁や廃棄物の排出量の増大といった都市生活型の環境問題,さらには,地球温暖化やオゾン層の破壊などの地球環境問題が顕在化しております。このような環境問題の変化に対応するため,国では,新たな考え方のもとに環境基本法の制定,環境基本計画の策定などを進めてまいりました。  しかしながら,これらの新たな環境問題は,その原因の多くが地域社会の活動に由来しており,その解決には,県民,事業者,行政など地域の各主体が一体となって行動していくことが重要であります。  このような認識のもとに,私は,知事就任後,いち早く,全国に先駆けて,地球環境保全行動条例を制定し,地域からの地球環境問題への取り組みを具体化いたしました。また,人と湖沼の調和をテーマに,第6回世界湖沼会議を開催し,霞ヶ浦の水質浄化に対する県民の意識の高揚にも努めてまいりました。さらに,新たな環境政策の基本的枠組みを明らかにした環境基本条例を制定し,この条例に基づき,茨城県環境基本計画を策定したところでございます。  しかし,これらの取り組みはまだ緒についたばかりであり,今後,いかに具体的な行動を起こし,実効あるものとしていくかが,大きな課題であると認識しております。  このため,今年度は,特に,すべての主体のパートナーシップの形成を図るために,地球環境保全いばらきトップセミナーの開催,エコ・カレッジの開設,環境学習プランの策定などを進めますとともに,霞ヶ浦流域の生活排水による汚濁水路に対する水質浄化施設の設置促進,ごみの排出抑制や再利用の促進,事業者の環境対応設備の導入や緑化行動を促進するための融資などの施策を推進し,大好きいばらき県民会議を初めとする住民運動とも連携を図ることによりまして,県民総ぐるみによる取り組みを積極的に進めてまいります。  さらには,いばらき霞ヶ浦賞を創設し,開発途上国の研究者の活動を支援することにより,国際貢献にも取り組んでまいります。  次に,環境権についてのお尋ねでございます。  環境権の法的権利としての性格につきましては,定説と言われるようなものはなく,判例も確立されてはおりませんが,いわゆる環境権の趣旨とするところは,環境基本法にも基本理念として位置づけられておりますし,本県の環境基本条例におきましても,現在及び将来の県民が,恵み豊かな環境の恵沢を享受するとともに,人類の存続の基盤である,限りある環境が将来にわたって維持されることとして,明確に位置づけているところであります。  環境権が具体的な法的権利として認められるか否かは別にいたしまして,人間が健康で文化的な生活を送るためには,良好な環境は欠くことができないものであり,その内容については,県民,事業者,行政が一体となって実現していかなければならないものと考えております。  このような考え方に立ちまして,さらに,環境の保全と創造のための施策を総合的,計画的に推進し,安らぎと潤いに満ちた環境にやさしい茨城づくりを進めてまいります。  次に,人と文化の創造,県庁跡地利用についてお答えいたします。  県庁跡地利用につきましては,昨年,県内の各界各層の代表者等で構成します茨城県県庁跡地利用委員会を設置し,県庁移転後の跡地の利用方策について御検討いただき,本年3月28日に報告書が提出されたところでございます。  その報告書の内容につきましては,議員御案内のように,跡地利用方策として,公園的要素を十分に取り入れた,ホールを中核とする多機能型文化活動拠点の整備が適当であるとし,さらに,施設整備の基本的考え方として,文化情報発信拠点としての役割を担う多機能を備えた複合施設とすることなどが示されたところでございます。議員からも,ただいま複合施設として幾つかの提案をいただきました。  県といたしましては,県庁跡地が約5.1ヘクタールで,そのうち,県の文化財に指定されております堀,土塁を除くと,約3.9ヘクタールという限られた敷地ではございますが,今後,この委員会報告書を十分尊重しながら,御提案の趣旨なども踏まえ,歴史的にも由緒ある県庁跡地に最もふさわしい施設整備の基本構想策定に向けて,十分検討してまいりたいと考えております。 14 ◯議長(川井一郎君) 生活環境部長金沢昌男君。           〔生活環境部長金沢昌男君登壇〕 15 ◯生活環境部長(金沢昌男君) ダイオキシンの排出抑制策についてお答えをいたします。  まず,ダイオキシンの調査結果の公表でございますが,ダイオキシンの総排出量の8割から9割を占めると言われております市町村の設置するごみ焼却施設に対しましては,国において,平成8年度に排出濃度の実態調査を実施し,平成9年4月にその調査結果が公表されたところでございます。  今後は,平成9年1月に国から示されましたガイドラインに基づき,市町村に対し,ダイオキシンの測定を指導し,その結果につきましては公表してまいります。  また,民間の焼却施設に対する対応でございますが,現在,国において,施設の構造や維持管理に関する基準の見直し等の規制の方策を検討しているところでありますので,県といたしましては,施設の構造や運転管理について,あらかじめその施設の実態調査を行い,国の動向等を十分見きわめながら,適切な対応に努めてまいります。
     次に,市町村の廃棄物焼却施設内でのダイオキシン抑制の対処策についてでございますが,ガイドラインに基づきまして,作業室への排ガスの流入防止,換気空調設備の設置,焼却灰の飛散防止などを指導いたしますとともに,焼却炉内での作業時においては,作業員の防じんマスクの着用を指導してまいります。  次に,ダイオキシン排出抑制に有効な連続運転炉の整備についてでございますが,議員御指摘のとおり,ダイオキシンを発生させる原因となるごみの不完全燃焼の状態を極力抑えるためには,連続運転炉が効果的でございます。  しかし,維持管理費や余熱利用の面を考慮いたしますと,一定規模以上の施設が必要でありますので,今年度策定をいたします廃棄物広域共同事業計画の中で,ごみ処理の広域化の検討を行い,小規模焼却施設を集約化し,連続運転炉の整備を積極的に促進してまいります。また,広域化が進まない市町村につきましては,ダイオキシン発生抑制に有効なごみ固形燃料化の整備促進を図っていく考えでございます。  次に,今後のダイオキシン対策の取り組みについてでございますが,現在,国におきまして,大気汚染防止法等関係法令を改正しまして,ダイオキシンを有害な大気汚染物質に指定して,排出抑制基準を設定するなどの作業が進められておりますので,県といたしましては,その動向を見きわめ,環境のモニタリングなど,実態把握と事業者の適切な指導に努めてまいります。  さらに,ダイオキシンの発生を抑制するには,ごみの量を減らすということが効果的でございますので,分別収集を徹底し,リサイクルを促進するなど,市町村,県民,事業者と一体となった対策に取り組んでまいりたいと考えております。  次に,県の原子力安全行政についてでございますが,動燃・東海事業所での今回の事故は,動燃の安全管理体制や通報連絡体制などに不適切な面があり,事態が拡大する結果になり,まことに遺憾でございます。  県といたしましては,今回の事故を踏まえまして,原子力施設の安全確保のため,県内にある23の全原子力事業所に対し,施設の安全性の点検や事故時の通報連絡体制を強く要請をいたしまして,現在,その点検結果の確認を行っているところでございます。  また,庁内における事故時の連絡体制につきましては,去る5月11日に原子力緊急対策班を設置をいたしまして,迅速な通報連絡による事故故障への的確な対応を図ることとしたところでございます。  原子力防災体制につきましても,福井県等とも意見交換を行っておりますが,原子力安全対策と消防防災の連携の強化を図るとともに,学識経験者を含めた原子力防災に関する委員会を設け,原子力防災計画の見直しを図り,実効性のある計画としてまいる所存でございます。  環境放射線の監視でございますけれども,県は,事故後,周辺環境における放射線の監視を強化をいたしました。この監視結果は,国や県の専門の委員会等で,周辺環境や日常生活などへの影響はないという評価をされております。また,県広報紙「ひばり」 や原子力広報紙「あす」でもお知らせをいたしましたが,さらに環境放射線監視体制の一層の強化を図るため,放射線監視局の増設などについて検討を進めてまいります。  原子力の専門家の配置につきましては,従来から,原子力担当技監として日本原子力研究所から迎えておりますし,昨年は,原研・東海研究所に職員を1年間派遣をいたしまして,原子力に関する研修を実施したところでございますが,さらに,科学技術庁との相互の人事交流などを通して,人材の確保や育成を図ってまいります。  原子力安全協定の適切な運用を図りますとともに,これらのことを着実に進めまして,安全がすべてに優先するという基本理念を堅持しまして,原子力安全行政の一層の充実強化に努めてまいります。 16 ◯議長(川井一郎君) 教育長齋藤佳郎君。             〔教育長齋藤佳郎君登壇〕 17 ◯教育長(齋藤佳郎君) 司書教諭の配置と学校図書館の運営についてお答えいたします。  学校図書館は,児童生徒の主体的な学習活動を促すとともに,人格形成や情操を養う上で重要な役割を担っており,特に,社会の変化に主体的に対応し,みずから考え,判断し,行動できる資質や能力の育成を目指す新しい学力観に立った教育の推進のかかわりにおいて,その役割は,ますます重要になってきていると認識しております。  まず,司書教諭の配置についてでございますが,過日,国会におきまして,平成15年に小規模校を除くすべての学校に司書教諭の設置を義務づける,学校図書館法の一部を改正する法案が可決されました。  県といたしましては,これまでも,司書教諭の養成を図るため,関係大学の協力を得ながら,大学が開催する学校図書館司書教諭講習会に積極的に参加するよう奨励してまいったところでございます。平成9年4月現在における司書教諭有資格者は,小学校160名,中学校54名,高等学校44名,特殊教育諸学校16名でございまして,まだまだ十分な状況ではございませんので,今後,司書教諭の計画的な養成を進めたいと考えております。  司書教諭の発令についてでございますけれども,各学校に置かれております教務主任や学年主任等と同様,教諭を充てまして,校務分掌の1つとして発令することになります。  次に,蔵書の構築についてでございますが,まず,国におきましては,学校図書館の図書の整備を図る際の目標として,学校図書館図書標準を設定し,その整備充実のために,公立義務教育諸学校に対しまして,平成5年から9年度までの5年間において,総額500億円の地方交付税措置をしているところでございまして,本県におきましでも,年々その充実が図られているところでございます。  さらに,蔵書を新鮮に保つための指導につきましては,学校教育指導方針説明会におきまして,各学校に対し,全国学校図書館協議会が作成しました学校図書館図書廃棄基準を参考にして,常に蔵書の点検評価を行い,更新も含め,蔵書の充実を図るよう指導しているところでございます。  次に,学校図書館の活用状況についてでございますが,各教科での調べ学習などに活用しているほか,読書の時間を毎日設けましたり,毎月定められた日に読書集会などを設けている学校や,コンピューターを利用して児童生徒が読みたい本をすぐ探し出せるような工夫をしている学校もございまして,学校図書館の機能を生かした教育の実践が多く見られるようになっております。  また,学校5日制に係る学校図書館のあり方につきましては,ウイークエンドコミュニティスクール推進事業の中で,学校図書館を含めました学校,その他の身近な施設を利用した各種の活動を展開し,学校週5日制に係る利用方策などについて研究を進めているところでございます  これまで県におきましては,平成6年度から2年間,庁内に学校図書館を利用した教育の推進に関する検討委員会を設けまして,学校図書館の図書の充実方策,読書センターや学習情報センターとしての機能の有効活用等について検討し,その結果をもとに,市町村や学校へ指導を行っているところでございます。  今後とも,各学校におきまして学校図書館の有効活用が図れるよう,引き続き指導してまいる所存でございます。 18 ◯議長(川井一郎君) 土木部長不破眞君。             〔土木部長不破眞君登壇〕 19 ◯土木部長(不破眞君) 公共工事入札制度の不正再発防止策についてお答えいたします。  まず,分離分割発注についてのお尋ねでございますが,1件当たりの工事規模──これを発注ロットと申しております──が大きければ,スケールメリットが働きますことから経費削減に効果がありますが,その一方で,県内建設業者の大半を占める中小業者にとりましては,受注機会が減少するというデメリットも生ずることになります。  県としては,現在,中小業者の受注機会を確保し,地元業者の育成を図るため極力配慮するとの閣議決定を尊重し,分離分割発注に努めているところでございます。また,一般的には,このような分離分割発注が,直接公共工事の不正に結びつくものとは考えておりません。  一方,厳しい財政のもと,公共工事の効率化を図るため,国では,この4月に公共工事コスト縮減対策に関する行動指針が閣議決定され,これを受けまして,関係各省庁においても行動計画が策定されております。この中では,中小建設業者等の受注機会の確保に配慮しつつ,適切な発注ロットの設定を推進するとしております。  このようなことから,今後,分離分割発注に関しましては,国の動向を見守りつつ,本県の建設業の構造や社会的状況に配慮しながら,適切な発注ロットについて検討を行ってまいりたいと考えてございます。  また,工事の情報の開示につきましては,平成5年に設置いたしました入札・契約制度検討委員会の議論を経まして,指名入札経緯の公表や1億円以上の工事受注上位20社,設計単価の公表など,プライバシーの保護に配慮しつつ,現在も可能な限り開示に努めているところでございます。  また,議員御指摘の工事につきましては,厳正に事実を調査し,その結果,建設業法違反が確認されたことから厳しく対処したものでありまして,その処置につきましては,適正かつ適切なものであると確信いたしております。  公共工事の発注に当たっては,公正さと透明さをなお一層高め,県民の皆様の信頼を得られることが重要であります。このため,入札契約制度の改善は,今後とも推進していかなければならない課題であると認識しているところでありまして,さらなる検討を進めてまいりたいと考えております。以上でございます。 20 ◯議長(川井一郎君) 鈴木孝治君。             〔30番鈴木孝治君登壇〕 21 ◯30番(鈴木孝治君) 3点要望と再質問を1つさせていただきます。  まず,知事の御答弁でございますが,光圀とともに弘道館,斉昭公は,本県が全国に誇れる歴史でもあり,また,大事なアイデンティティーであると確信します。これを,大いに,NHKの放送とあわせて全国にPRしていただきたいと要望いたします。  生活環境部長にも要望させていただきます。  ダイオキシン抑制策については,かなり具体的な御答弁をいただきました。本日の全国紙に,埼玉県においてはダイオキシン類削減検討委員会の設置がされた旨が報道されてありました。本県においても,ぜひとも本格的な取り組みを要望したいと思います。  続いて,土木部長でございますが,部長御就任いただいてから初めて質問させていただくのがこういう形になって残念でありますが,「誤りを改めざるを悪という」そういうことわざもございます。入札改善については,もっと具体的な改善策を盛り込んだ内容のある答弁ができないものかと思います。答弁以上に,私は,改善に向かっての現実の行動でもってお答えしていただければと,要望いたします。  土木部長に再質問させていただきます。  10億円以上の公社から元請4社に渡った請負金は,結果として,5億円弱の金額で宇都宮の業者に下請させております。それでは,丸投げをした間に入った11社は,合計幾らで契約をしたのでしょうか。そして,その契約金額と丸投げした価格との差額は幾らだったか,把握していたのでしょうか。一体,5億円以上もの大金は何だったと認識されているのかを,再質問させていただきます。 22 ◯議長(川井一郎君) 鈴木孝治君の再質問に対する答弁を求めます。  土木部長不破眞君。             〔土木部長不破眞君登壇〕 23 ◯土木部長(不破眞君) 一括下請に対するその差額が幾らであったかという御質問でございますけれども,建設業法の違反につきましては,その額の多寡が問題ではございません。私どもといたしましては,その事実関係を調査した結果,建設業法に基づくいわば不誠実な行為と,それから一括下請の事実を把握したことによりまして,それに対しての処分を行ったものでございます。  ちなみに,私どもの調査の範囲では,議員お述べになられました栃木県の業者さんは,報道では4億円という話でございましたが,事実のところは,議員お述べのとおり約5億円,それ以外に,別業者に対する外注施工分が1億円,そして,元請の直接施工分,あるいは常陸那珂施工協力会直接施工分等が5,000万円,そのほかに現場管理費,一般管理費があったと把握してございます。  ただ,それが,どれが利益であり,どれが現場管理費及び一般管理費の範囲であるかというところまでは,私どもは把握してございません。以上でございます。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 24 ◯議長(川井一郎君) 暫時休憩をいたします。  なお,会議再開は午後3時を予定します。               午後2時42分休憩      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━               午後3時4分開議 県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑(続) 25 ◯副議長(荒井学君) 休憩前に引き続き会議を開き,県政一般に関する質問並びに上程議案に対する質疑を続行いたします。  半村登君。            〔11番半村登君登壇,拍手〕 26 ◯11番(半村登君) 自由民主党の半村登であります。  知事初め,関係部長,教育長,並びに警察本部長に質問いたしますので,明快でわかりやすい答弁をお願いいたします。  知事は,平成5年9月の選挙において,県民一人一人の生活を大切にする県づくりに向けて,新しい茨城をキャッチフレーズに当選を果たし,4年間の任期が終わろうとしております。その任期中に,各市町村の要望に耳を傾け,努力をしてきたものと確信をするものであります。  新しい豊かさ,輝く未来,愛される茨城,21世紀に向かって医療と福祉の充実を図る上で県立医療大学付属病院オープンや,人にやさしいまちづくり制度,安全快適な生活環境の中で,第6回世界湖沼会議茨城県開催や道の駅「さかい」のオープン,教育文化においては茨城県自然博物館のオープン,活力ある産業では農林水産業の振興,商工業の支援事業,地域を結ぶ茨城県1時間構想では北関東自動車道着工など,日本の総理大臣橋本龍太郎さんにまさるとも劣らないすばらしい実績と成果をおさめた茨城県知事橋本昌さんであると,高く評価をするものであります。  そこで,4年間を振り返って,みずからの感想と評価,また,再選に向けての決意のほどを知事にお伺いするものであります。  次に,市町村合併の推進について,先ほど杉田議員からも質問がございましたが,角度を変えて知事にお伺いをいたします。  今日,国際社会といわず,国内でも,企業間ではボーダーレス社会を踏まえた合併,統合,提携が日常的に繰り返されております。しかし,税金で支えられた公共分野の行政機構となると,その動きは大変に鈍いのが現状であります。  確かに,改革が理論によって実現したことはありません。改革は,時代による必要性,住民の現状への強い不満や将来への強い危機感によるエネルギーの蓄積によって初めて行われるのであり,これが改革の推進力となるものであります。  その意味では,国では,平成7年の合併特例法の改正法で,合併協議会の設置に関する直接請求の制度として住民発議制度を創設しました。行政サイドの動きだけでなく,住民や地域の経済団体等の側から,合併に向けた取り組みを合併に向けた推進力としていこうとするものであります。  県内においても,昭和30年代初期の市町村合併以後,道路網の整備,モータリゼーションの進行で住民の行動範囲は大きく変わり,生活圏は飛躍的に拡大をしております。自治体と実際の生活圏の乖離は非常に大きくなっている状況であります。  その中で,広域的な行政が必要とする課題は,ごみ処理や消防,上下水道など,現在,一部事務組合で対応しているものだけではなく,地域経営の骨格にかかわる市町村道路の計画・整備,産業振興政策,大型・高度の文化・スポーツ施設や高齢者対策として福祉医療施設の整備・運営などに拡大をしております。また,合併を研究する地域団体が各地にふえており,徐々に機運も高まりつつあります。  私の住む地域においても,昨年6月,古河・猿島郡21世紀合併促進住民協議会が組織をされ,また,境町におきましても,境町と猿島町青年会議所が,新しい地域づくり推進活動実施団体として,県から補助金をいただきながら,昨年10月には,町も積極的に支援する中,約500名を超す参加者のもとに,合併を含めた広域行政を考えるシンポジウムが開催されたところであります。  昨年12月の地方分権推進委員会の第1次勧告でも,分権型社会を創造する上では,市町村の規模の拡大や能力の向上が課題であり,市町村の自主的合併を強力に推進する必要があるとされております。  そこで,私は,正念場に差しかかった地方分権の受け皿づくりのために,県は,市町村の自主的な合併を引き続き後押しすることから今こそ一歩進め,市町村合併のデザインを描いて,合併推進計画の策定など,計画性を持って指導体制を整備し,知事の強いリーダーシップのもとに市町村合併を推進することが,是が非でも必要な時期に来ているものと考えております。知事の御所見を伺うものであります。  次に,農業問題について,農林水産部長にお伺いをいたします。  本県は,地勢と気候に恵まれ,農業は本県の重要な産業であります。しかし,今日の農業を取り巻く情勢は,担い手の高齢化や後継者不足,米の生産調整,農産物価格の低迷,産地間競争の激化など,非常に厳しいものがありますが,これに打ち勝ち,本県農業の維持発展を図ることは,今後の地域発展の礎となるものと考えております。  そこで,まず,本県農業が存続するための基本となる認定農業者の育成についてお伺いいたします。  認定農業者制度は,地域の将来の農業を担う意欲ある農業者を市町村長が認定し,年間2,000時間労働,1,000万円の農業所得などの目標に向かって,県,市町村など関係機関が支援していこうとする制度であります。  支援策としては,スーパーL資金などの融資が主体となっていると伺っておりますが,さらに,認定農業者への技術や経営に関する指導,相談,研修,研究の場の提供,認定農業者の組織化など,県のソフト面の支援の充実が必要と考えますが,認定農業者の育成について御所見をお伺いするものであります。  次に,米の生産調整の実施状況と推進方策についてお伺いをいたします。  平成8年度から,新食糧法のもとで,米の需給均衡及び価格の安定を図るため,新たな生産調整対策が実施をされております。もしも,米生産農家が,市場原理,競争原理の中で自由に生産した場合,米価の暴落,流通の寡占化,農村の崩壊,水田の荒廃,米生産力の低下,穀物自給率のさらなる低下という一連の出来事が現実のものとなってくることが予想されるからであります。  そうならないためにも,生産調整目標の達成が是が非でも必要であります。これには,他産物への転換など,地に足のついた生産調整の定着化が非常に重要であります。しかし,私の見る限りでは,転作団地などによる安定的な生産調整が必ずしも進んでいるとは言えない状況にあろうかと思います。  そこで,平成9年度の生産調整の現実の実施状況及び目標達成に向けた具体的な推進方策について,御所見をお伺いをいたします。  次に,園芸作物の販売体制の確立についてお伺いをいたします。  県は,先月末,農業粗生産額全国第2位の奪還と日本一の園芸県づくりを目指し,平成12年度を目標年次とする新たな園芸プラン21世紀に翔く茨城の園芸プランを公表したところであります。これは,2000年までに園芸全体の生産額の3割近くのアップを目指して取り組んでいこうということで,園芸に期待をかけるところの大きい県西地域出身の私にとっては,大変心強く思うところであります。  ところで,昭和57年に発足した銘柄産地制度は,本県における園芸振興の大きな推進力となってまいりました。私が住んでおります猿島地域においても,境町のレタス,ホウレンソウ,総和町のカボチャ,猿島町の春白菜が指定されております。また,銘柄推進産地として,三和町のバラが銘柄産地の指定を目指して頑張っているところであります。今後も,銘柄産地制度を大いに推進していただきたいと私は考えております。  私は,かねがね園芸の振興のためには,セクションごと,団体ごとに一生懸命やることも大事だが,事業をばらばらではなく計画的,総合的,効果的に進める推進体制の確立の必要性を一昨年6月の一般質問で訴えてきましたところ,趣旨を御理解いただき,園芸いばらき振興協会が設立をされたわけであります。  そこで,本県園芸をさらに発展させるためには,農協系統と任意生産出荷組織との連携を密に図って,一体となった販売対策を展開し,銘柄産地制度とあわせ,茨城の園芸の名を高めていくことが大変重要であり,このためには,園芸いばらき振興協会を十分に活用していくことが重要ではないかと考えております。本県園芸作物を有利に販売していくための販売体制の確立について,農林水産部長の御所見をお伺いするものであります。  次に,県立医療大学付属病院の運営について,衛生部長にお伺いいたします。  高齢化が進行し,21世紀には,実に国民の4人に1人が高齢者となる高齢社会が出現しようとしております。このような中,高齢者などを対象とした機能回復訓練,いわゆるリハビリテーション需要は,今後ますます増大してくるものと考えられます。  県立医療大学付属病院は,昨年の12月に,全国で初の医療系大学付属のリハビリ専門病院として開院をいたしております。病院には,最先端のすばらしい施設・設備が備わり,優秀なスタッフも配置されており,今後は,これらを十分活用した医療人材の育成,地域医療への貢献が大いに期待されるものであります。  特に,地域医療の面では,新たに本年度から,付属病院と遠隔地の市町村の保健センターをテレビ会議システムで結び,遠隔地に居住する患者に対し機能回復訓練や相談などを行う,地域リハビリテーションネットワークモデル事業が開始されると聞いております。この事業が推進されますと,患者がわざわざ遠隔地から付属病院に来なくても,最新のサービスが受けられることになるとのことであります。  そこで,地域リハビリテーションネットワークモデル事業を今後どのように推進していくのか,まず,お伺いするものであります。  次に,付属病院の運営状況を見てみますと,患者数は開院以来順調に伸びてきていると聞いております。しかし,一方で,入院待ちの患者がかなり出てきているようであります。そこで,私は一刻も早く県民のニーズにこたえていく必要があるのではないかと思います。そのため,県内の将来のリハビリテーション需要を的確に調査,把握し,適正な病床数を検討していく必要もあるのではないかと考えます。  また,一方,県の財政も非常に厳しい状況にありますので,専門家の意見を取り入れるなど,病院経営の一層の効率化もあわせて推進すべきではないかと考えております。  そこで,衛生部長に,医療大学付属病院の現状とこれからの運営についてお伺いをするものであります。  次に,下水道整備について,土木部長にお伺いいたします。  県民が安心して快適に日常生活を送ることができるように,道路,公園,下水道など身近な生活環境づくりを進めていくことは非常に重要なことであり,県民だれもが望んでおります。この中でも,私は,特に下水道の整備が急務であると考えております。  橋本県政におかれましては,重点施策の一つに下水道整備を掲げて,積極的に取り組んでおられ,大変評価をしておりますが,しかしながら,本県における下水道の普及率は,平成7年度末のデータで見ますと,約36%と,全国平均の54%を大きく下回り,全国第22位と,まだまだ低い水準にあるわけであります。  とりわけ県西地域の下水道普及率は約17%と,県平均の半分にも満たない状況にあります。私の住んでいる境町を初めとする猿島町,三和町では,首都圏の近郊にあるにもかかわらず,整備がおくれ,一日も早い下水道整備が望まれていたわけであります。
     幸い,この猿島3町を対象として計画をされた利根左岸さしま流域下水道が,関係者の御努力,御協力により,去る6月1日に一部供用開始をされ,大変喜ばしいことでありますが,供用はまだ境町の一部の区域のみでありますので,いまだ供用できない三和町や猿島町も早く供用開始ができることを,強く期待するものであります。  現在,公共投資の大幅削減が余儀ない状況でありますが,下水道の整備は,生活環境を整える上からも重要な事業でありますので,特に強力に推進する必要があると考えております。  そこで,利根左岸さしま流域下水道の進捗状況と県西地域における流域下水道の今後の見通しについて,土木部長にお伺いするものであります。  次に,首都圏中央連絡自動車道について,土木部長にお伺いをいたします。  首都圏中央連絡自動車道,いわゆる圏央道は,東京都心よりおよそ40ないし60キロメートルの位置に計画をされている延長約270キロメートルの高規格幹線道路で,横浜,八王子,川越,つくば,成田,木更津などの中核都市を連絡し,本年12月開通予定の東京湾アクアラインと一体となって,首都圏の広域環状ネットワークを形成する道路であります。この事業は建設省の直轄事業として進められており,既に,青梅-鶴ヶ島間の約20キロメートルについては,昨年3月に開通している状況にあります。  一方,県内において,この道路は,新4号国道,国道294号,国道6号,常磐自動車道など放射状の道路と連絡し,常磐新線とあわせ,県南西地域の交通確保に重要な地位を占めるものと期待をされているところであります。また,沿線には工業団地,住宅団地などが計画をされ,その経済効果ははかり知れないものがあるわけであります。  県内区間のうち,常磐道の東側については平成元年に,西側については平成2年に,それぞれ基本計画区間に決定され,本年2月には,県内約71キロメートル全線が整備計画区間に指定されたところであり,着工に向けての諸調査が進んでいると聞いております。  現在,財政構造改革について幅広く議論がなされている中で,圏央道など膨大な事業費を要する高規格道路の事業費確保は大変厳しい状況にありますが,地域振興の強力な起爆剤として,沿線住民も,その早期着工を今や遅しと待っているところであります。このようなことから,今後,早期着工に向けては,県が建設促進運動の主導権を握って国や建設省に強力に要望していくことが,非常に重要であると考えております。  そこで,県のこれからの取り組みについて,土木部長の御所見をお伺いをいたします。  次に,教育問題について,教育長にお伺いをいたします。  まず,県立高等学校における特色ある学科の設置についてであります。  子供が伸び伸びと自由に学び,人を思いやる優しい気持ちを持った人間に育ってくれることを望むのは,だれしも同じであります。そのためには,子供の能力や適性に応じ,個性を伸ばすような教育がなされることが大変重要であり,子供にとって,多くの選択肢が用意されていることが望ましいと考えるものであります。  数学が嫌いなら,ほかにもっと自分の好きなことに打ち込めばよいのではないか,中途から進路を変えたり回り道をするのも子供の糧になるのではないか,先生から与えられて仕方なく勉強するのではなく,何をやりたいのかを選び,選んだことには自分自身が責任を持つ,これが本来の教育の姿ではないかと思うのであります。  国で現在行われている中央教育審議会の議論でも,一律な平等から,一人一人の能力,適性に応じた教育に改めるとともに,子供などの選択の幅を広げる必要があるとしております。  本県でも,県立高校に,社会の変化や生徒の多様化に合わせ,情報処理科,国際科,衛生看護科,教養福祉科,環境緑地科,美術科,音楽科などの多様な学科を設置して,特色ある学校づくりに努めてきております。また,平成10年度には,普通科,職業学科の区分を超えた新しいタイプの高校として総合学科の設置や,さらには,全日制普通科の高校に単位制を導入することになっております。しかし,県立高校の志願状況を見ますと,進学校といわれる普通科高校に志願が集中する反面,定員割れの学科のある学校は,昨年より7校ふえまして58校に上っている状況にあります。  全国でも,地域性や人材の育成という観点を明確に打ち出した芸能文化科,国際観光科,環境デザイン科,武道科,生涯スポーツ科など,個性的な学科が生まれております。しかし,一方では,ユニークな学科ゆえに学んだことを就職に生かせないことや,専門性を深めるために進学を希望しても推薦入学できないなど,進路の壁も立ちはだかっている状況にあります。  そこで,県立高校における多様な生徒に対応するための特色ある学科の設置について,教育長の御所見をお伺いするものであります。  次に,県立高校の学校間連携による単位認定制度についてお伺いをいたします。  県立高校において,生徒の多様な能力や適性,さらに,興味,関心や進路などに対応し,選択学習の機会を提供していくことは,さきに述べたとおり重要なことであります。しかし,どんな高校にも教職員や設備の関係で,開設できる科目にはおのずと限界があることも承知であります。  これらのことから,連携先の学校で受講した教科の単位を自分の学校の単位として認める学校間連携を進めているところが,既に28都府県に上っております。実施には,地理的条件,各校の収容能力など課題も多いかと思いますが,本県ではどのような考えをお持ちか,教育長の御所見をお伺いいたします。  次に,警察行政について,警察本部長にお伺いをいたします。  まず,災害時における警備業界との支援協定の締結についてであります。  支援協定は,大規模な災害が発生した際,被災者の救援・救護,被害の拡大防止等を円滑に行うため,本来警察が行うべき緊急輸送路,復興物資輸送路の確保等の交通誘導や,被災地における各種犯罪防止のためのパトロールなどの業務を警備保障会社に委託し,警察力を補完していこうとするものであります。  さきの阪神・淡路大震災の際には,全国の警察が兵庫県警察と一体となって被災者の救出,交通対策,警戒警ら活動等に当たったわけでありますが,このほか,平成7年1月21日から2月28日までの間,地元の警備業協会や防犯協会の加入業者から,延べ3,830人,車両1,084台が参加して,ボランティアによる広報車や徒歩による情報提供活動,防犯パトロールを実施して,被災地域での各種犯罪,事故の未然防止と被災住民の不安の除去に大きな貢献をしたとのことであります。  これを契機として,全国でも,平成7年の北海道を皮切りに,本年4月末現在で,19都道府県において協定が締結されているやに聞いております。  平成8年の第3回定例会では田山議員の質問もございましたが,警察本部長は,既に協定締結に向けての協議,検討を開始しているとお聞きしているところでありますが,災害はいつ襲ってくるかわかりません。早急な対応が必要であると考えますが,現在どのような状況であるのか,今後の見通しを含め,早急に協定締結を願うものであります。  次に,交通死亡事故の発生状況及び減少対策についてであります。  昨年の県内の交通事故による死亡者数は3年連続減少し,また,平成に入って初めて400人を下回ったものの,全国で多い方から数えて7番目,人口10万人当たりでは2番目とのことであり,全国的に見ると,本県は依然として交通死亡事故多発県に位置している状況にあると言えます。  また,本年は昨年より死亡事故が増加していると聞いており,まことに憂慮すべき事態であると考えております。  本県の交通事故は,スピードの出し過ぎ,飲酒運転等無謀な運転による事故が多く,死者の中では,若者,高齢者が多いと聞いております。  交通事故は,一瞬にして,被害者と加害者の人生を,その家族を含めて変えてしまうものであり,交通事故の災害から県民を守ることは,我々政治に携わる者の使命であると痛感する次第であります。  そこで,現在の交通死亡事故発生状況及び特徴とその減少対策,特に,死者数の多い若者,高齢者対策,そして,本県の交通死亡事故の特徴といわれる飲酒運転について,運転者だけではなく,運転することを知っていて酒を勧めた者等の責任を追及する方針と聞いておりますが,これらについての今後の取り組みについてお伺いをするものであります。  最後に,中・高校生の覚せい剤汚染の現状と対策についてお伺いをいたします。  昨年1年間に,県内で,覚せい剤の不法所持や使用で摘発された人数は604人に上り,そのうち少年は24人で,高校生が2人含まれております。また,本年4月末までに摘発された少年は10人に上っており,5月には女子高校生1人が逮捕されるなど,中・高校生への浸透が憂慮される事態となっております。  その背景として,覚せい剤を入手しやすい環境と薬物一般に対する抵抗感の希薄化が指摘をされております。  かつては,覚せい剤密売といえば暴力団関係者がほとんどであったのが,最近は,街角で外国人などから簡単に手に入れることができること,また,覚せい剤をスピードと呼び,ダイエット目的に使用するなどファッション感覚でとらえる傾向が広まっているということであります。  このような薬物乱用に歯どめをかけるためには,暴力団や外国人密売人などの取り締まりを強化するとともに,地域や家庭,学校などが一体となって,薬物は心身をむしばみ犯罪の引き金になるという正しい知識を広め,未然防止の教育をこれまで以上に徹底することが求められていると考えております。  そこで,中・高校生への覚せい剤汚染の現状と,これに対し今後どのように取り組んでいくのか,その方策についてお伺いをするものであります。  これで質問を終わりますが,答弁により再質問をさせていただきます。  御清聴ありがとうございました。(拍手) 27 ◯副議長(荒井学君) 半村登君の質問,質疑に対する答弁を求めます。  知事橋本昌君。              〔知事橋本昌君登壇〕 28 ◯知事(橋本昌君) 半村登議員の御質問にお答えいたします。  まず,4年間を振り返っての感想についてでございます。  私は,知事就任以来,清潔,連帯,創造の基本理念のもとに,県民の皆様とともに考え,ともに歩みながら,茨城県を真の豊かさを実感できるすばらしい郷土とするため,県政運営に全力で取り組んでまいりました。  特に,県民に開かれた県政を推進するため,県政情報紙「ひばり」の発行回数の大幅な増加や,全国に先駆けたインターネットのホームページの開設など,県民への広報に力を入れますとともに,いばらき創り1000人委員会や知事への手紙といった方法で,県民の声を県政に反映させることなどに努めてまいりました。こういったことにより,県政が県民の皆様にとってより身近なものになったのではないかと考えております。  また,本格的な少子・高齢社会を迎える中で,他県に比べておくれが見られます福祉や医療対策,生活環境対策などに,これまで以上に力を入れてまいりました。その結果,在宅福祉サービスの充実や乳幼児医療費の無料化,県立医療大学の設置など,多くの新たな施策が進みますとともに,活発な県民運動の展開や女性が働きやすい環境づくりなどが進展し,県民が安心して暮らせる環境の整備が進みつつあるのではないかと考えております。  また,物の豊かさとあわせて,心の豊かさを求める傾向が強まる中で,自然博物館や天心記念五浦美術館の整備,県内各地への生涯学習センターの設置など,教育文化の振興にも努めてまいりました。  さらに,ガット・ウルグアイ・ラウンド農業合意以降の厳しい環境を踏まえ,経営規模の拡大による生産コストの低減,園芸振興対策,「うまいもんどころ」を活用した販売戦略など,農林水産業の振興には特に力を入れてまいりました。  また,国際的にも通用する新技術の開発や成長が期待できる新分野への進出の支援,テクノエキスパート派遣事業の創設,海外活動を支援する上海事務所の開設など,本県商工業の一層の発展を図るため,中小企業対策を中心に積極的に取り組んでまいりました。  一方,北関東自動車道を初めとする3本の高速道路や,常陸那珂港など4つの重要港湾の整備,常磐新線の建設,百里飛行場民間共用化の推進など,陸・海・空の交通基盤の整備を着実に推進することができました。昨年末におけるワールドカップの本県開催の決定や,平成8年の新規工場立地面積が全国一となったことに見られますように,本県の発展可能性は一段と高まってきているものと考えております。  このように,県議会や県民の皆さんの温かい御理解,御支援のもとに,生活者の視点を重視しながら各種の施策を順調に進めてくることができ,おかげをもちまして県勢は着実に発展してきたのではないかと考えております。  次に,再選に向けての決意についてでございます。  21世紀まであと4年足らずであります。本県にとって,これからの4年間は,厳しい財政状況の中ではありますが,21世紀の輝く未来を目指し,新たな発展の基盤整備や少子・高齢化対策の充実,生活関連社会資本の一層の整備などを進める大変重要な時期であります。  私は,県民だれもが,生まれてよかった,住んでよかったと思えるような愛されるいばらきづくりを目指し,今後とも,300万県民の幸せと郷土茨城の発展のために全力で取り組んでまいる決意であります。議員各位を初め,県民の皆様方の一層の御支援,御協力を心からお願いを申し上げます。  次に,市町村合併の推進についてでございます。  もとより市町村の合併は,市町村の存立の根幹にかかわる重要な問題であり,地域の方々が論議を深め,地域の総意に基づいて自主的に進めていくべきものであります。しかしながら,今後の地方分権の進展や,介護保険制度のもとでの福祉サービスなどの新たな行政需要に的確に対応するためには,市町村の行財政能力の強化が不可欠であり,そのためには市町村の合併を積極的に推進すべきであると考えております。  合併により,市町村は,財政力の強化,大規模事業の実現,施設の効率的整備,あるいは職員数の相対的削減,職務の専門化などが可能となり,その行財政能力の大幅な向上が期待されます。  また,地域によっては,住民の側からも,日常生活圏の拡大などに対応し,合併を図るべきであるとの強い意向が示されております。  県はこれまで,県議会の広域行政推進調査特別委員会の提言にございます大規模プロジェクト関連地域の一体的整備,県都の充実,地方中心都市の強化などの地域類型を踏まえ,自主的な市町村合併の実現に向けた機運の醸成,他に類を見ない手厚い財政支援,あるいは指導,相談など,市町村に対するさまざまな支援を積極的に行ってまいりました。  この結果,最近におきましても,ひたちなか市,鹿嶋市の誕生を見ているところであります。  幸い,本県におきましては,平たんな地域が多いこと,人口が市町村の境を越えて連檐している地域が多いことなど,他県に比較して合併を進めやすい条件を備えていると考えております。  また,国におきましても,自主的な合併推進のため,財政支援策を初めとする誘導促進策について検討が開始されたと聞いております。したがいまして,本年度も,総合事務所への窓口の設置を初め体制の整備を図ったところでありますが,議員の御指摘を十分に肝に銘じ,今後とも,市町村の合併が一層進みますよう精いっぱい努力してまいりたいと存じます。 29 ◯副議長(荒井学君) 農林水産部長高島泉君。            〔農林水産部長高島泉君登壇〕 30 ◯農林水産部長(高島泉君) 農業問題についてお答えいたします。  まず,認定農業者の育成についてでございます。  本県においても,農業従事者の高齢化や兼業化が進んでおり,地域の農業を支える担い手の育成,確保が,農政の重要な課題となっております。  このため,県といたしましては,議員御指摘の認定農業者制度の推進に努めており,これまでに3,219人が認定されたところでございます。  認定農業者に対する支援策につきましては,年々拡充に努めており,まず,融資制度といたしましては,本年度,新たに認定農業者等育成資金を創設いたしました。この資金は,農協系統資金を活用し,金利1%,無担保で1,800万円まで借りられる大変利用しやすい資金でございます。従来からのスーパーL資金を補完する資金として役立つものと考えております。  技術や経営に関する指導といたしましては,一般的な経営指導は,市町村に設置する経営指導マネージャーにより対応するとともに,より専門的な相談には地域農業改良普及センターが濃密指導を行うなど,体制を強化しているところでございます。  研修や研究などの提供などにつきましては,市町村段階においては,自己研さんや経営改善のための研修を,県段階におきましては,より高度な研修や農業法人に対する経営研修などを開催することとしております。  認定農業者の組織化につきましては,既に幾つかの市町村で取り組まれておりますので,これをさらに広めて,自主的な活動を促してまいりたいと考えております。  県といたしましては,認定農業者を将来的に1万人にふやす目標を立てております。今後とも,支援措置を充実させ,茨城農業を支える,経営感覚にすぐれた,効率的かつ安定的な農業経営を育成してまいる考えでございます。  次に,米の生産調整についてでございます。  本年度の生産調整目標面積は,昨年度と同じ2万9,960ヘクタールが配分されております。現在,市町村において実施計画の取りまとめを進めているところでございます。  ことしは,特にとも補償とブロックローテーションの導入に重点を置きつつ取り組んだ結果,とも補償につきましては,新たに7市町村が加わり,57市町村で7,000ヘクタール,ブロックローテーションは,新たに4地区が加わり,62地区で約980ヘクタールの実施が見込まれております。面積的には,県全体として目標達成までにあと数%,900ヘクタール弱の転作が必要となっております。  しかし,県西地域などの二毛作田を除いて田植えがほぼ終了しましたので,転作の有効な手段も限られ,市町村によりましては,その推進に大変苦慮されているのが実情でございます。  このため,今後の推進方策としては,未達成農家に対しまして,1つには麦跡水田での転作や調整水田での対応,2つには県単事業の花の香る里づくり事業を活用したヒマワリやコスモス等の景観形成作物への作付誘導,3つには新たに確保いたしました加工用米による対応などについて,農業団体や市町村との連携をとりながら推進し,100%達成に向けて全力を尽くしてまいる考えでございます。  なお,生産調整につきましては,稲以外の作物への転換とその定着化が重要であることは,議員御指摘のとおりでございます。  県といたしましては,ブロックローテーションを柱といたします,みんなで転作定着化促進事業を推進しているところであり,また,JAグループ茨城におきましても,水田高度利用推進プランに基づき,ブロックローテーションや転作野菜団地づくりを進めております。  今後とも,農業団体や市町村との連携を一層密にし,生産性が高く安定的な転作への誘導を図ってまいる所存でございます。  次に,園芸作物の販売体制の確立についてお答えいたします。  本県園芸の振興を図るためには,生産対策の充実に加えて,総合的な販売対策の推進がますます重要となっております。  このため,日本一の園芸県を目指して策定いたしました21世紀に翔く茨城の園芸プランにおいては,銘柄品等の周年出荷体制の整備や広域産地の育成とあわせて,今回,新たに販売対策を含む流通の取り組みについて盛り込んだところでございます。  つくれば売れる時代から売り込む時代に対応するため,県ではこれまで,いばらきの味販売戦略基本構想を策定し,いばらきの味統一キャッチフレーズ「うまいもんどころ」を決定したほか,議員の御指摘も踏まえ,産地が一体となって販売対策を講じるため,農協系統と任意系統を一体化した組織として社団法人園芸いばらき振興協会を設立してきたところであります。  また,本年4月には,より包括的に販売戦略を展開するため,園芸流通課内にうまいもんどころ推進室を設置したところでございます。  このような体制整備のもと,今後とも,うまいもんどころの普及定着に努めるとともに,いばらきの味を総合的に紹介,宣伝する物産展の開催,本県の食材についての総合情報誌の発行などを通じまして,県内外の流通関係者や消費者に対し,本県農林水産物のイメージアップと効果的な販売促進活動を展開してまいります。  こうした取り組みの中で,生産者の意思統一のかなめとしての役割を担う社団法人園芸いばらき振興協会は,今後,出荷規格の統一などによる有利販売や生産拡大運動を図る上で,ますます重要な役割を果たすことが期待されており,県といたしましても,その機能が十分発揮されますよう積極的に支援してまいりたいと考えております。 31 ◯副議長(荒井学君) 衛生部長牛尾光宏君。            〔衛生部長牛尾光宏君登壇〕 32 ◯衛生部長(牛尾光宏君) 県立医療大学付属病院の運営についてお答えいたします。  まず,地域リハビリテーションネットワークモデル事業をどのように推進していくかについてでございますが,付属病院のこれまでの患者動向を見ますと,ほぼ県内全域から来院しておりまして,今後は,これらの患者が退院した後の機能維持を図るリハビリテーションが必要になってくる状況にあります。  また,一方では,遠隔地に住み,付属病院に通院することが困難な患者に対する支援も必要になってくるものと考えております。このため,付属病院と市町村の保健センターなどを光ファイバー通信で結んだテレビ会議システムを使用いたしまして,リハビリテーションの訓練,相談などを行う地域リハビリテーションネットワークモデル事業を,今年度新たに導入したところでございます。現在,対象市町村を選定するため,意向調査などを行っているところでございます。  今後は,このモデル事業の成果を踏まえまして,患者,家族への啓発,市町村保健婦等に対するリハビリテーションに関する指導,相談など,付属病院を中核とした全県的な地域リハビリテーションの取り組みについて検討してまいりたいと考えております。  次に,付属病院の運営についてでございますが,患者数は,開院以来月ごとに増加し,入院,外来合わせて約5,000人に上っておりまして,入院が必要とされる方の中には,約1カ月間ほどお待ちいただかなければならない方もおられます。これは,リハビリテーションの効果を上げるためには一定の入院期間が必要であること,一人一人の患者に対しまして,医師,看護婦,理学療法士,作業療法士などがチームで計画を作成し治療を行うため,1日に数人程度の入院が限度となることにも起因するものと考えております。  県といたしましては,患者の方が早期に治療を受けられますよう,入院待ちの期間の解消を図るとともに,今後増加が予想されますリハビリテーションを必要とされる方々に対応するため,付属病院の規模等について検討してまいりたいと考えております。  今後の運営につきましては,付属病院がリハビリテーション専門病院であり,かつ大学の教育実習の場であるという性格上,病院収入のみで経営することは困難でございますが,院内の運営委員会で検討を行うとともに,外部の専門家の意見を求めるなど,なお一層経営の効率化に努めてまいりたいと考えております。 33 ◯副議長(荒井学君) 土木部長不破眞君。
                〔土木部長不破眞君登壇〕 34 ◯土木部長(不破眞君) 下水道整備についてお答えいたします。  1つ目のお尋ねは,利根左岸さしま流域下水道事業の進捗状況についてでございます。  この流域下水道は,県西地域の境町,三和町,猿島町の3町を計画区域といたしまして,処理人口7万2,000人,処理水量1日当たり約4万7,000立方メートルの計画で,平成2年度から県事業として推進しているものでございます。  現在の進捗状況でありますが,境町において整備中の処理場につきましては,3,000立方メートルに相当する水量を処理することができる施設の整備が完了しております。  また,管渠につきましては,処理場と三和町及び猿島町を結ぶ2本の幹線が計画されておりまして,このうち三和町に至る三和幹線は3.2キロメートルが,猿島町に至る猿島幹線は3.8キロメートルについて整備を完了しており,その進捗率は,約32%となっております。  この流域下水道の整備と連携して,3町におきまして,関連公共下水道の整備が推進されてきたところであります。去る6月1日には,境町の旧市街地の一部が供用開始となったところでございます。  さらに,境町におきましては,今年度,土地区画整理事業と一体的に下水道整備を進めている地区,上小橋,下小橋地区の供用開始も図る予定としております。  今後は,三和幹線,猿島幹線の整備を重点的に進め,三和町,猿島町についても,平成10年代の前半を目途に供用できるよう努めてまいります。  2つ目は,県西地域における流域下水道の今後の見通しについてでございます。  現在,県西地域におきましては,利根左岸さしま流域下水道のほか,下妻市など5市町村を対象とした鬼怒小貝流域下水道と,明野町など7市町村を対象とした小貝川東部流域下水道の合わせて3つの流域下水道事業を推進しているところでございます。  利根左岸さしま流域下水道につきましては,先ほどお答えしたとおりでございます。  他の2つの流域下水道のうち,まず鬼怒小貝流域下水道でございますが,平成11年度当初に下妻市の一部から供用開始できるよう処理場の整備を重点的に進め,あわせて管渠の整備も進めてまいります。  次に,小貝川東部流域下水道につきましては,平成8年度に新規採択となったところでありますので,本年度は,まず処理場の用地買収に全力を投入し,早期供用に向けた整備を進めてまいりたいと考えております。  また,今年度,小貝川東部流域下水道関連の真壁町,大和村,協和町の公共下水道事業が新規採択となったことにより,県西地域のすべての市町村におきまして下水道事業が着手されることとなりました。  このように体制が整いましたので,県西地域の下水道普及率の向上に向けて,県と市町村が連携しながら,今後とも積極的に下水道の整備を推進してまいりたいと考えております。  次に,首都圏中央連絡自動車道に対する県の取り組みについてお答えいたします。  圏央道は,議員御案内のとおり,県内約71キロメートルの全区間について都市計画決定がなされ,平成6年度までに国の直轄事業として事業化がされたところでございます。その後,平成7年度には,国道354号から国道6号までの約6キロメートルの区間において測量などの現地調査が行われ,これを踏まえ,平成8年度には,この区間の詳細設計が進められ,あわせて国道6号から東側の県道竜ヶ崎阿見線バイパスまでの約9キロメートル区間におきましても,現地測量が実施されたところでございます。本年度は,平成8年度に実施した詳細設計に基づき,関係機関や地元との設計協議が予定されていると聞いております。  本路線の整備促進を図ることは,県土60分構想の実現と均衡ある県土の発展を図る上で極めて重要であるとの認識に立って,これまでも国や関係機関に強く働きかけを行ってまいりました。しかしながら,今般の財政構造改革に伴い,公共事業予算の削減が閣議決定されたことから,県としても,本路線の整備促進に強い危機感を持っているところでございます。  このため,県といたしましては,沿線市町村と協力し,これまで以上に本事業の早期整備の必要性や重要性を訴え,あわせて事業費の拡大について国に強く要望していかなければならないと考えております。  さらに,この路線の早期整備を願っている沿線住民や民間の産業経済団体等の生の声を国や関係機関に強くアピールできるよう,積極的に支援してまいります。  圏央道を初めとする道路整備は大変おくれておりますので,整備促進に必要な財源確保を図るため,道路特定財源制度の堅持についても,あわせて積極的に国や関係機関に働きかけてまいりたいと考えております。以上でございます。 35 ◯副議長(荒井学君) 教育長齋藤佳郎君。             〔教育長齋藤佳郎君登壇〕 36 ◯教育長(齋藤佳郎君) 教育問題についてお答えいたします。  まず,県立高校の特色ある学科の設置についてでございますが,平成元年6月の茨城県高等学校審議会における県立高等学校における,学科の編成配置の適正化についての答申を受け,多様な生徒や社会の変化に対応しますため,全県的な学科の配置状況や地域の実情等を勘案しながら,学科の改編を行ってまいりました。  あわせまして,教育課程の弾力化,教育内容や指導方法の工夫・改善などを行い,生徒が生き生きとした高校生活を送れるよう,特色ある高校づくりに努めており,職業学科における大学等進学や資格取得などにおいて成果を上げているところでございます。  さらに,平成7年2月に茨城県高等学校審議会から答申をいただきましたが,教育の弾力化,個性化を一層推進する観点から,平成10年4月に,総合学科を県立八千代高等学校に,全日制単位制高等学校を県立牛久栄進高等学校に開設することとし,現在,両校とも施設設備の整備や教育課程の編成などに取り組んでいるところでございます。  これらの学科につきましては,中学生や保護者などに十分理解していただくことが大切でありますので,ハイスクールガイドの発行,各高等学校で実施しております中学生体験入学,中学校進路指導ビデオの活用などにより,その啓発に努めているところでございます。  今後とも,社会の変化,地域の実情などを把握しながら,能力,適性,興味,関心等の多様化した生徒に適切に対応するため,学科のあり方などについて検討してまいりたいと考えております。  次に,県立高等学校の学校間連携による単位認定制度でございますが,生徒の能力や適性に応じ個性を伸ばす教育を展開することが大切であり,そのためには,生徒にとって多くの選択肢が用意されていることは重要なことでございます。  現在,高等学校におきましては,多様な生徒の能力,適性,興味,関心,進路等に対応しますため,類型別の教育課程を編成しましたり,学習指導要領に定められた科目に加え,本県独自に設けました多様な選択科目を用意したりしまして,生徒の選択学習の機会の拡大を図っているところでございます。  しかしながら,議員御指摘のように,いずれの高校におきましても,教職員や設備の関係で開設できる科目には限界がございます。したがいまして,国においては学校教育法施行規則の改正を行い,学校間で連携し,生徒が在籍している高校で開設されていない科目を他校において履修することができる制度を設けております。この学校間連携は,生徒の適性や興味,関心を生かすことができるという効果だけでなく,連携校間の教職員,生徒の相互理解も深まったり,他校で学ぶことによって自分の学校の特徴を再認識したりできるという効果も期待されます。  本県におきましても,来年度からこの制度の積極的な活用を図りますために,茨城県立高等学校学校間連携実施要項を定めたところでございます。その具体的な運用につきましては,各学校と十分調整を行いながら,生徒にとって少しでも選択肢の拡大が図れるよう,進めてまいりたいと考えております。 37 ◯副議長(荒井学君) 警察本部長千葉行雄君。            〔警察本部長千葉行雄君登壇〕 38 ◯警察本部長(千葉行雄君) 3点でのお尋ねでございますが,最初に,災害時における警備業界との支援協定の締結についてお答えをいたします。  災害時における警備業務と警察活動の関係につきましては,私自身,阪神・淡路大震災直後,現地兵庫県におきまして,警備業者による被災地の防犯パトロールや広範囲にわたる交通誘導業務を目の当たりにいたしておりまして,警備業の災害対策における有用性を実感しているところでございます。  現在,議員御指摘のとおり,全国的に警備業と警察等の間で,災害時における支援協定の具体的検討が行われているところでありますが,本県におきましても,県当局及び茨城県警備業協会等との協議検討を進めてまいりました結果,来る7月2日,警察本部長と社団法人茨城県警備業協会との間で協定締結の運びとなりました。  この協定は,基本的には大震災等の災害が発生した場合における災害警備等,地域の安全と平穏の確保の観点から,総合的な災害対策の一環として位置づけております。  具体的な支援対象業務としましては,警察活動に直接関連する被災地の防犯パトロール等の警備業務,緊急輸送路の確保等のための交通誘導警備業務を考えておりますが,いずれにいたしましても,警察が人命救助や被害の拡大防止等に優先的に取り組むための補完的な活動を期待しているものであります。  出動は,警察本部長から警備業協会長を経由して警備業者に要請することになりますが,現在のところ,同協会では,交通誘導警備業務と施設警戒警備業務合わせまして,最大で約300人の警備員の出動が可能と見ております。  なお,緊急事態の対応力向上のため,本年1月には,警備員130名の参加を得て防災ボランティア訓練を実施し,その練度を高めたところでありますが,警察としましては,本協定の締結を契機に,今後ともより質の高い警備業務の確保を図るための指導訓練を積極的に進めてまいりたいと考えております。  次に,交通死亡事故の発生状況とその減少対策についてお答えをいたします。  交通死亡事故につきましては,まことに残念でございますけれども,年度当初より多発をいたしておりまして,昨日現在で,交通事故による県下の死者は190人であります。対前年比26人の増ということでございまして,全国的にはワースト第3位ということでございます。  当県の交通死亡事故の特徴を申し上げてみますと,1つには高齢者の死者が多いこと,次に,交通事故の原因をつくっている側,いわゆる第1当事者でありますが,これは青少年が多いこと,それから,酒酔い運転,最高速度違反などの極めて故意的な違反が多いことなどが特徴的であります。  特に,議員御指摘の酒酔い運転による死亡事故につきましては,全死亡事故の1割を超えておりまして,これは全国平均の3倍以上という高い比率でございます。  交通死亡事故減少対策につきましては,知事からも答弁がございましたけれども,県,市町村当局,並びに関係機関と協力をし,交通安全の意識高揚,あるいは交通環境の整備等に努めるとともに,私どもの最大の武器であります交通指導取り締まりの徹底ということで,県警察の最重点課題として取り組んでいるところでございます。  御指摘の若者,高齢者対策につきましては,特に,高齢者対策としてのシルバーナイトスクール事業,青少年対策としてのヤングドライバーセミナーに力を入れているところでございます。  また,飲酒運転につきましては,その絶無を期して,運転者に対する取り締まりをなお一層強化いたしますとともに,酒を勧め,提供した者,車両の運転を指示,依頼した者などについても,飲酒運転の共犯者として,運転者と同様に取り締まりを徹底する方針であります。  この点につきましては,先般,麻生警察署管内におきまして,右側車線にはみ出して対向車と衝突をし死亡した運転者に酒を勧めた同僚3人に対しまして,飲酒運転の幇助罪を適用いたしまして,検挙したところでございます。  いずれにいたしましても,交通死亡事故の原因というのは極めて複合的でございますが,そういう中において特に重要だと思いますのは,道路を利用するすべての人が,自分自身の問題としてお互いに最善の注意をするということであろうと思います。この点に関する県民の皆様の御理解をお願い申し上げる次第であります。  最後に,中・高校生による覚せい剤事犯の現状とその対策についてお答えいたします。  少年の覚せい剤乱用事犯は,近年,全国的に増加傾向にございまして,特に中・高校生の乱用が激増いたしております。  本県におきましても,昨年検挙した24名の少年の中に,2名の高校生が含まれていたわけでありますけれども,本年5月末現在で15名の少年を検挙しておりますが,既にこの中に2名の高校生が含まれております。このような大変厳しい実態を踏まえまして,私どもといたしましては,次のような対策を推進しているところでございます。  その1つは,覚せい剤の供給源に対する取り締まりの強化であります。  最近,少年に対する薬物の供給源として来日外国人の関与が把握されておりまして,本年は,5月末現在で既に14人を検挙し,あわせて覚せい剤等を押収しておりますが,引き続き,来日外国人密売人の取り締まりを強化してまいりたいと思います。  その2つは,薬物乱用少年の早期発見,補導活動の強化であります。  覚せい剤は,御案内のとおり依存性が極めて強いものでございまして,少しでも早い段階での立ち直りを図っていくことが重要でありますので,少年指導委員等を初め,関係機関,団体との緊密な連携を図りながら,乱用少年の早期発見,補導活動を推進しているところであります。  その3つは,県教育庁等と連携した中・高校生対策の推進であります。  昨年より,県教育庁,衛生部薬務課との連携のもとに,中・高校生を対象とした薬物乱用防止教室というのを開催いたしております。本年度は,5月末現在で70校で開催しているところであります。今後とも,ビデオでありますとか,あるいは薬物標本でありますとか,こういった教材を有効に活用した薬物乱用防止教室を徹底して実施してまいりたいと考えております。  最後,4番目でありますが,薬物乱用を許さない社会環境づくりの問題であります。  薬物乱用防止対策上は,取り締まりの強化や対象者を絞った指導教育というのが重要でありますけれども,同時に,家庭や地域社会における薬物乱用を許さないという社会環境づくりが不可欠であります。本年は,6,7月の2カ月間を,少年の薬物乱用防止広報啓発強化期間として取り組んでおりますが,関係機関等と連携をして効果的な広報啓発活動を推進し,薬物乱用防止の機運の醸成を図ってまいりたいと考えております。  薬物乱用事犯というのは,次代を担う少年の健全育成上,看過し得ないゆゆしき問題でありまして,今後とも全力を挙げて取り組んでまいる所存でございます。以上でございます。 39 ◯副議長(荒井学君) 半村登君。  なお,時間が過ぎておりますので,再質問は簡潔にお願い申し上げます。              〔11番半村登君登壇〕 40 ◯11番(半村登君) 今,知事初め,各部長から,あるいはまた教育長,警察本部長から答弁いただきました。特に,警察本部長には,茨城県に赴任をいたしまして初めての答弁でありますが,前向きな答弁をいただきまして,心からお礼を申し上げます。  特に,災害時における支援協定は7月2日に協定を結ぶのだということでありますので,これからも300万県民の先頭に立って,県民の方々が安心して生活ができるように御奮闘をお願いする次第であります。  また,交通事故についても大変厳しい状況でございますが,長年の経験豊富な警察本部長でありますので,交通対策についても万全を期して死亡事故等が減少するように心からお願い申し上げたいと考えております。  なお,先ほど杉田議員さんが──おりませんけれども──知事については,安心して8月の選挙は当選間違いなしということでありますので,腰を据えて,茨城県300万県民のために,全力を挙げてリーダーシップを発揮して県のために取り組んでほしいということを心からお願い申し上げまして,私の質問を終わります。以上です。(拍手) 41 ◯副議長(荒井学君) 執行部の答弁者の皆さんに申し上げますが,壇上に時計がございます。質問者は,1時間の2分の1,30分以内で質問しております。答弁者の方で調整をして,なるべく1時間以内で終了できますように,今後,御協力をお願いいたします。      ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 42 ◯副議長(荒井学君) 以上で,本日の日程は全部終了いたしました。  次回は,明6月13日午後1時から本会議を開き,一般質問,質疑を続行します。  本日は,これにて散会いたします。               午後4時18分散会 Copyright © Ibaraki Prefectural Assembly, All rights reserved. ↑ ページの先頭へ...